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ビットコイン新展開、まずは普及を促す? 自民党が提言

2014/6/27(金) 7:00配信

THE PAGE

 自民党のIT戦略特命委員会(平井卓也委員長)の小委員会は19日、インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」について、利用者の自己責任のもと、その普及を容認すべきとの提言をまとめました。

 ビットコインについては今年2月、世界最大のビットコイン交換所であったマウントゴックスから大量のコインが盗まれるという事件が発生し、各国でその取り扱いに関する議論が行われてきました。日本政府は、なぜかいち早く、ビットコインは通貨ではなく、ただの「モノ」であるとする見解を発表していたのですが、米国や英国などでは、ビットコインを合法化し、事実上の通貨として有効活用しようという動きが進んでいます。

 今回、自民党がビットコインを有効活用すべきという提言をまとめたことで、日本でもその普及に向けて動き出すきっかけが出来上がったわけです。

 同委員会では、ビットコインについて「ビジネスにおける新たなイノベーションを起こす要素となる」としており、現段階では、銀行法など既存の法体系で規制することはせず、業界団体に自主ルールを策定させることで、健全な発展を促すとしています。またビットコインの位置付けについて、政府見解とは異なり「モノ」ではなく「価値記録」であるとしています。これはビットコインの本質をよく理解した提言といってよいでしょう。

 なぜなら、ビットコインとは、技術的にはネット上の取引の連鎖記録のことを指しているからです。私たちがビットコインと呼んでいるのは、ネット上でいつ誰が、誰にビットコインを手渡したのかという情報が記載されたデータの塊です。ビットコインは匿名性が高く危険との見方がありますが、すべての取引記録がネット上で半永久的に記録されるため、現金に比べるとはるかに透明性が高いともいわれています。

 今回の提言を受けて実際に政府がどのような対応を取るのかはまだ分かりません。もし提言がそのまま受け入れられた場合、業界団体を中心とした自主的な運用を行うわけですから、基本的には自己責任での利用ということになります。何かトラブルがあっても政府に苦情を言うことは出来ませんから、利用する人は、そのメリットやデメリット、リスクなどをよく考えてから行動する必要があります。

 一方で、政府からの規制がなければ、事業者は自由に様々なサービスを開発することが可能となります。ビットコインは単なる決済手段としてだけではなく、ネット上で所有権を担保するための仕組みなど、様々な応用法が検討されています。この分野から新しい産業が生まれてくる可能性は高いと考えてよいでしょう。

 ビットコインに対する法規制は、新しいサービスが多数登場し、本格的にビットコインが普及してきた段階で、あらためて検討する方がはるかに合理的です。


(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2016/1/7(木) 4:41
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