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東京五輪の会場、新規建設中止や変更相次ぐ、このほうが現実的?

2014/6/30(月) 7:00配信

THE PAGE

 2020年に開催が予定されている東京五輪について、競技会場の建設中止や計画変更が相次いでいます。無理な建設計画を危ぶむ声が一部にはあっただけに、今回の計画変更は波紋を呼びそうです。

 東京五輪は、競技会場のほとんどを選手村から8キロ以内に集中させています。東京五輪の招致委員会は、移動の負荷が少ない「コンパクトな五輪」であることを強調して候補地選定競争を勝ち抜きましたが、その状況が大きく変わろうとしています。

 東京都の舛添要一知事は、6月10日に開催された都議会の所信表明演説において、競技会場の建設計画を見直す考えを明らかにしました。

 当初は夢の島に建設される予定だったバスケットボールとバドミントンの会場は、本体の建設や土壌汚染の除去に多額の費用がかかることから、建設の中止が検討されています。バスケットボールの競技会場は、埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナに、バドミントンの会場は東京都調布市に変更する方向で調整が進められています。またカヌーやボート競技が行われる海の森水上競技場、葛西臨海公園についても計画を見直すことになりそうです。

 ロンドン五輪でも開催地が決定してから競技会場を変更した例があるということで、東京都では国際オリンピック委員会(IOC)に対して理解を求めたい意向です。しかし、選手村からさいたま市や調布市への移動はかなりの時間がかかることが予想されるため、IOCがこれを承認するのかはまだ分かりません。

 東京五輪の会場整備計画は当初から無理があると指摘されていました。メイン会場である新国立競技場の建設計画では、コンペが行われイラク出身の建築家ザハ・ハディド氏のプランが採用されました。しかし、このプランがあまりにも斬新で、建物が巨大すぎたため、槇文彦(日本のモダニズム建築を代表する建築家の一人で、ニューヨークのワールドトレードセンター跡地の超高層ビルの設計などを手がけた)氏ら著名建築家がプランの再考を求める騒ぎとなっていました。結局、ある程度規模を縮小した形で建設を進める予定になっていますが、建設費がどの程度になるのか正確に見積もることができない状態が続いています。

 こうした競技会場の建設は景気対策としての側面も強く、結果的に建設計画ラッシュのような状態となっています。しかし、日本は途上国ではありませんから、東京圏内にはすでに十分すぎるほどの施設が存在しています。国際的に提案してしまった内容との齟齬という問題はありますが、一連の建設計画の見直しは、現状を見据えた妥当な判断といえるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/23(火) 4:49
THE PAGE