ここから本文です

楽天が航空事業に参入、楽天とエアアジアの狙いとは

2014/7/2(水) 12:00配信

THE PAGE

 ネット通販大手の楽天が航空事業に参入することが明らかとなりました。アジア最大の格安航空会社(LCC)であるエアアジアの日本法人に出資するという間接的な形になります。楽天とエアアジアにはどのような狙いがあるのでしょうか?

 楽天がエアアジアと提携したことには、エアアジアが一度日本市場参入に失敗しているという背景があります。同社はアジア最大のLCCで、2012年に全日空と提携し日本市場に参入しましたが、業績は振るわず、2013年には提携を解消し日本市場から撤退してしまいました。同社が成功しなかったのは、日本市場のガラパゴス性をよく理解していなかったからといわれています。

 同社は、グローバルに統一された自社サイトによる直販が中心となっています。基本的に海外LCCの多くはコスト重視からこのような販売体制を採用しています。しかし、日本では旅行代理店を経由した販売が圧倒的に多く、こうした販売方法はあまり受け入れられません。LCCは価格重視ですが、日本人の場合には、多少コストが高くても、代理店による便利な購入を好む傾向が強いわけです。

 現在は価格が高めとなりもはやLCCとは呼べなくなりましたが、日本におけるLCCの先駆けであったスカイマークが何とか事業を軌道に乗せることができたのは、旅行代理店HISの関連会社であったことが大きく影響しています。また日本は航空事業に対する規制が非常に多く、基本的に高コスト体質になってしまいます。自社システムによる直販と、驚くような激安の価格設定でシェアを奪うという、海外LCCのビジネスモデルは日本では採用することができないのです。

 このあたりに楽天とエアアジアが組む理由がありそうです。楽天は楽天トラベルという大手の旅行サイトを傘下に抱えており、チケットの販売力を持っています。エアアジアが破格の値段という本来の戦略を実施できない以上、楽天のような販売力のあるパートナーが必要だったわけです。

 一方、楽天にとってもメリットがあります。航空事業を持つことは、楽天トラベルとの相乗効果やブランド価値という点で意味がありますが、規制によって新規参入が厳しく制限されている日本の場合、航空事業への参入は非常にリスキーとなります。また航空会社自体はそれほど儲かるビジネスではありません。出資という間接的な形態でリスクを回避し、販売や決済という果実の部分を得られるのであれば、楽天にとっては魅力的です。

 日本では、市場の構造上、海外のような劇的な低価格を実現するのは不可能です。エアアジア・楽天連合がうまくいくのかは、すべて楽天のチケット販売能力にかかっているといっても過言ではありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/9(金) 4:01
THE PAGE