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経営者の報酬ってサラリーマンの給料とどう違うの?

2014/7/3(木) 7:00配信

THE PAGE

 株主総会の季節を迎え、高額報酬をもらう経営者の話題がメディアを賑わせています。そもそも企業の経営者の報酬とはどのように決まるのでしょうか?また普通のサラリーマンの給料とはどう違うのでしょうか?

 理屈の上では、経営者が受け取る役員報酬と従業員がもらう給料は、その本質的な意味がまったく異なっています。株式会社の役員報酬は、企業の所有者である株主から会社の経営を任されたことへの対価ということになります。

 株主は自社の株の価値を最大化したいと思っていますから、それが実現できる能力を持った経営者を雇い、経営を任せるわけです。経営者の方は「自分に経営を任せればこれだけの利益を上げられる」とアピールし、報酬を上げようとします。株主は企業価値が上がれば大きな利益になりますから、経営者に実力があると思えば高額であっても報酬を支払うわけです。一方、約束した利益を実現できなければ、株主は容赦なく経営者をクビにすることができます。いってみれば、お互いにプロ同士の契約ということになります(後述しますが、日本では必ずしもそうなってはいません)。

 一方、従業員はそうではありません。従業員は基本的に会社から指示された仕事をこなすことで対価を得ており、法的な責任を負う必要もありません。相応の理由がなければ解雇されることもありませんから、安定して給料をもらうことができる分、よほどの人材でなければ高額で雇われることもありません。

 ただこれはあくまでも理屈上の話です。日本の上場企業は外部の株主が会社を所有するというよりは、企業どうしがお互いの株式を持ち合う状態となっており、相互の経営には口を出さないかわりに、あまり独自の動きをしないという暗黙の了解が成立していました。また日本では就職というよりも就社という概念が強く、よい意味でも悪い意味でも、会社は共同体的な存在です。日本では株主が経営者を選ぶのではなく、従業員の延長線上で経営者になる人が圧倒的に多かったわけです。

 日本の経営者の報酬が相対的に安く、高額報酬に対する社会からの風当たりが強かったことには、このような背景があります。プロの経営者ではないわけですから、確かに破格の報酬をもらう資格はなかったのかもしれません。

 しかし最近では様子がだいぶ変わってきました。日本人は自国の株式市場にほとんど投資をしなくなりましたし、企業も相互に株式を持ち合う余裕をもっていません。その結果、日本の株式市場の7割は外国人投資家による取引で占められるようになりました。

 日本に投資をしている外国人のほとんどは短期的な利ざやを稼ぐだけのいわゆる投機筋ですから、会社の経営にはまったく興味がありません。日本企業には、外部からの牽制が働かなくなっており、経営者は自身の報酬を引き上げやすい環境になってきているのです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/31(日) 4:33
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