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TPP、日本抜きになるとどうなる?

2014/7/7(月) 10:00配信

THE PAGE

 環太平洋パートナーシップ協定の交渉をめぐり、米国が日本に対する市場開放要求を活発化させています。場合によっては、日本抜きで妥結する姿勢もちらつかせており、日本側は厳しい交渉を強いられそうです。

 TPP交渉において日本側は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖を「重要5項目」とし、関税撤廃の例外とする方針を掲げてきました。これに対して米国は、原則としてすべての分野における関税撤廃を要求しており、双方とも妥協点を見いだすことができませんでした。当初は4月のオバマ大統領の訪日に合わせて妥結するという見方もありましたが、結局、両国は妥協せず、首脳会談後も継続協議となっています。

 米国の農業団体は米国政府に対して、場合によっては日本抜きでも交渉を妥結するよう求めていますし、ニュージーランドのキー首相は6月、米国を訪問し関税引き下げの原則を堅持するようオバマ政権に求めました。キー首相も、状況によっては日本抜きで交渉を進めるべきであるとの考えを示しています。

 TPPについては、6月30日から再び日米の実務者協議が始まっているのですが、一連の発言はこの協議を意識した心理作戦と考えられます。ただ、米国にとっては、政治的なタイミングを逸してしまった状況となっており、容易に妥協しない可能性も指摘されています。というのも、米国では秋に中間選挙が予定されており、その時までにTPPをまとめるには4月の日米首脳会談がタイムリミットであったといわれているからです。中間選挙までに間に合わせるという政治目標が遠のきつつあることから、米側に妥協するメリットが少なくなってしまったわけです。

 さらに長期的な視点では中国や欧州の動向についても気にする必要があります。中国は現在TPP交渉に参加していませんが、中国がいずれ参加してくることは既定路線といわれています。

 万が一、日本抜きでTPPが成立するような事態となった場合、そこには中国も参加してくる可能性が高いわけです。またTPPの先には米欧FTAとの統合による世界貿易圏の構築というさらに大きなビジョンもあります。日本がこの枠組みの中に入らないとしても、将来にわたって孤高の貿易姿勢をつらぬく覚悟があれば何の問題もないでしょう。しかし、世界の中で日本が取り残されることを後になって危惧し、そこから加盟交渉を行うということになると、大きなカベに突き当たることになります。今度は米国のみなならず、中国からも加盟に際して法外な要求を受けることにもなりかねないからです。 

 台湾は、自国の一部企業が不利になるにも関わらず、2013年に中国とサービス貿易協定を締結しました。その背景には、中国のTPP加盟があるといわれています。中国より後に台湾がTPP加盟交渉を行うことになった場合、中国との貿易協定がない状態では、中国側から無理難題を押し付けられることを危惧したからです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/20(金) 3:51
THE PAGE

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