ここから本文です

北朝鮮への制裁解除は日朝交渉に何をもたらすのか?

2014/7/15(火) 20:19配信

THE PAGE

 膠着していた日朝交渉が動き始めました。7月4日、日本政府は2006年から北朝鮮へ行ってきた日本が独自に行っていた制裁の解除を決定しました。日朝間の最大の懸念事項である「日本人拉致問題」に北朝鮮側が前向きに取り組んでいると安倍政権が判断したからです。果たして、制裁解除は日朝双方にとってどのような影響を及ぼすのでしょうか?

制裁が解除されるとどうなる?

 解除された制裁の中身は、大きくわけて(1)人的往来の解除(2)送金・現金持ち出し規制(3)北朝鮮船舶の入港禁止の三つですが、いずれも経済活動に関わってくることです。

 6月、筆者は中朝国境で北朝鮮関連の取材をするなかで、ちょうど北朝鮮の貿易関係者から話を聞くことが出来ました。日朝関係について貿易関係者は「制裁が解除され日本との貿易が復活することを望んでいる」と制裁解除への期待感を包み隠さず話してくれました。とはいえ、北朝鮮全体の貿易額からすると、対日貿易の割合は決して高くなく、日本との貿易が復活したからといって、すぐさま北朝鮮経済が好転するわけでもありません。それにも関わらず、北朝鮮があえて日本側に譲歩の姿勢を見せたのは、北朝鮮が経済的だけなく、政治的にも孤立状態にあるからです。

 北朝鮮は1990年代中盤から、深刻な経済難に陥っています。拉致問題をめぐって日本側は2006年に経済制裁を発動するのですが、制裁によって圧力をかけ、北朝鮮の頑なな姿勢の変化を導くという目的でした。当時、日本から北朝鮮には、それなりのお金やモノがわたっていたからです。

 ちなみに外務省資料によると、2010年以後、日本と北朝鮮の輸出入はゼロです。あくまでも統計上の数字であり、第三国を経由した貿易額は不明ですが、日本との貿易規模が占める割合が低いことは間違いないでしょう。このような中、北朝鮮は中国との貿易に重点を置き、活路を見いだそうとします。その結果、中国依存は高まり、昨今の対中貿易は7割以上となります。

1/2ページ

最終更新:2016/2/18(木) 2:35
THE PAGE