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習主席が北朝鮮より先に訪韓 中国が韓国を歓待する狙いは?

2014/7/18(金) 12:30配信

THE PAGE

 7月初め、中国の習近平国家主席が韓国を訪問し、朴槿惠大統領と会談を行いました。中国のトップが就任後に、北朝鮮より先に韓国を訪問したのは初めてのことです。昨年6月に朴槿惠大統領が中国を訪問した際にも、中国側は朴氏を厚遇し、中韓関係の緊密ぶりをアピールしました。中国側が韓国を歓待する背景には、韓国側の対中重視姿勢や中朝関係の軋轢(あつれき)、日米との摩擦などがあります。

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米中の間でバランスとる韓国

 日本では中国の台頭や今後の成長について消極的な見方が強まっており、たとえ日中の経済関係を重視する立場であっても、中国経済が抱えるリスクや問題も同時に意識されがちです。対して韓国では、中国の台頭と潜在的可能性について、日本よりも楽観的な見方が広がっているように思われます。朴槿惠政権は米国との関係を傷つけないようにしながらも、中国に接近し、両大国の間でバランスをとるという外交を展開していますが、北朝鮮に対する中国の影響力や韓国経済の対中依存度、朝鮮半島と中国の地理的近接性を考えれば、理解できないことではありません。

中国の北朝鮮へのさまざまな思惑

 そして、周辺諸国との摩擦を抱える中国にとっては、このような韓国の対中重視姿勢は非常に歓迎される状況なのです。まず、最近では中朝関係にすきま風が生じるようになっており、良好な中韓関係が北朝鮮に対するけん制になると考えられています。中国にとって、北朝鮮は見捨てたくても見捨てられない場所にあります。北朝鮮が崩壊し、中国に大量の難民がなだれ込むような事態は避けたいですし、また朝鮮半島をめぐる米国とのパワーゲームにおいても、バッファ(緩衝地帯)としての北朝鮮には意味があると見なされているからです。ですから、これまでも中国は、中国から経済援助を受けながら言うことをきかない北朝鮮に腹を立てつつも、北朝鮮をかばい続けてきたのです。

 中国の朝鮮半島におけるそのような戦略的利益や条件に変化が生じたわけではないのですが、金正恩政権の能力や意図について、中国側では益々不信感が強まっています。外交に影響力を持ち親中派であった張成沢(チャン・ソンテク)の突然の粛清なども、中国側の不信に拍車をかけました。韓国との親密な関係をアピールすることにより、「朝鮮半島における中国のパートナーが北朝鮮とは限らない」という脅しをかけているのでしょう。

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最終更新:2016/1/24(日) 4:17
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