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経済財政白書ってどんなもの?2014年度版から読み取れることは?

2014/7/27(日) 7:00配信

THE PAGE

 政府は25日、2014年度の経済財政白書を公表しました。本文だけで250ページ近くになる分厚いものですが、そもそも経済財政白書とはどのようなもので、2014年度版からは何が読み取れるのでしょうか?

 経済財政白書は、政府が経済状況を総合的に分析し、今後の政策課題や方向性を示すための文書です。正式には「年次経済財政報告」といい、1947年から毎年発行されています。以前は経済白書と呼ばれていましたが、2001年度からは財政という言葉が加わり、経済財政白書となりました。経済財政白書は非常によく作り込まれており、これを読めば、日本経済が抱える現状や問題点などについて、ほぼ完璧に網羅できると考えてよいでしょう。

 内容構成は、まず日本経済の現状に関する分析が行われ、続いて、経済問題に関する論点や政策上の課題が示されるというのが一般的です。

 2014年度版では「回復基調が続く日本経済」として、2012年の年末を境に、日本経済は持ち直しに転じたと指摘しています。一方で、企業の設備投資は低調なままであり、これまでの景気回復を主導したのは、個人消費と補正予算を中心とした大型の公共事業であると明確に示されています。白書は基本的に正確であることが要求されますので、自己宣伝のニュアンスが強くなる普段の政府の発表とはだいぶ雰囲気が変わってくるわけです。

 景気回復のカギを握る政策のひとつである日銀の量的緩和策については、2%の物価目標の達成はまだ道半ばとしながらも、実質金利の低下によって民間の資金調達が活発化していることや、リスク資産へのシフトが進んでいることなどから、デフレ脱却に向けた動きと整合性が取れていると評価しています。

 課題としては、物価上昇の継続性と人手不足による供給制約について言及しています。物価は着実に上昇していますが、一方で円安による輸入物価上昇はそろそろ頭打ちになるとも指摘しています。金融政策や経済政策が物価上昇を邪魔することがないよう留意していく必要があります。また人手不足の問題については、供給力を維持するため女性を積極的に活用することや、企業の生産性向上が必要という、きわめてまっとうな指摘を行っています。

 長期的な視点では、日本企業の輸出競争力が低下していることや、日本経済の基本構造が大きく変化している点について言及したのは注目に値します。

 白書が指摘するように、日本がこれからも豊かさを維持していくためには、よりグローバルな視点に立った稼ぐ力が求められます。海外直接投資などを通じて、金融面での収益力を高めることが重要となるでしょう。これまで低い水準に抑えられてきた国内サービス業の付加価値を向上させる努力も必要となるはずです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/1/20(火) 4:52
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