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LINEは上場によって何を実現しようとしているのか?

2014/7/29(火) 7:00配信

THE PAGE

 無料対話アプリのLINEがとうとう株式を上場します。上場すれば時価総額は1兆円を超えるといわれていますが、同社は上場によって何を実現しようとしているのでしょうか? 

 同社は上場に関して正式に発表していませんが、東京証券取引所と米国証券取引委員会に対して上場申請を行ったことが明らかになっています。上場の目的は基本的には資金調達と知名度の向上といわれていますが、具体的にどのような戦略を描いているのかについては、はっきりしていません。

 現在同社は、全世界で約5億人の利用者を抱えるグローバルなネット企業に成長しています。今のところ有料スタンプやオンラインゲームの販売などがメインですが、これだけの数の顧客を抱えているとなると、同社には様々な経営オプションが出てきます。

 もっとも分かりやすいのは、資金調達力を生かしてグローバルに展開する既存の企業を丸ごと買収してしまうというやり方です。これはLINEの潜在顧客を生かすという考え方ですので、今後の経営戦略は買収する企業次第というところがあります。こうしたグローバルな巨額買収を考えているのだとすると、人や情報が集まる米国市場に上場することは、非常に意味のある選択ということになるでしょう。

 一方、対話アプリとしての基本サービスを維持しながら、このインフラを業務用システムなどに開放していくという戦略も考えられます。例えば、アルバイト店員を管理するシステムやサービスを提供するIT企業に、LINEが通信基盤を開放すれば、システム会社はLINEを使ってアルバイト店員の勤怠管理を実施するサービスを提供することができます。LINEには、インフラを利用した企業から利用料が転がり込んでくることになります。こうした戦略を採用する場合にはあまり資金は必要ありませんから、上場の目的は知名度の向上ということになります。

 LINEの場合には、同社単体としての経営戦略以外にも、親会社の意向も考慮する必要があるでしょう。LINEは登記こそ日本にされていますが、親会社は韓国のネット企業であるネイバー株式会社であり、基本的な経営権はすべてネイバー側が握っています。LINEが上場した後、LINEをどのような方向に持って行くかは、ネイバー社が何割の株式シェアを維持するのかにかかっています。

 ネット・ビジネスの世界は変化が激しいですから、LINE自身やネイバー社も含めて、今後の戦略について、あえて明確に決めていない可能性もあります。米国市場には中国最大の電子商取引企業であるアリババも上場する予定です。今年後半から来年にかけては、グローバルなレベルでネット企業の再編が加速するかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/15(日) 4:23
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