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永住外国人の生活保護で最高裁が初判断 どんな判決だったのか

THE PAGE 2014/7/30(水) 15:00配信

 永住外国人が生活保護法の対象となるのかが焦点となっていた裁判で、最高裁は、外国人には生活保護法に基づく生活保護の受給権がないとの初判断を示しました。この判決はどんな判決だったのか。外国人の生活保護をめぐるこれまでの経緯や、判決のポイントをみていきましょう。

これまでの行政運用を「追認」

 2014年7月18日、最高裁第2小法廷は、生活保護法第1条及び第2条がその適用の対象を「国民」と定めていることから、「外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権は有しない」として、一定の範囲の外国人が法的保護の対象となるとした福岡高裁判決を破棄しました。

 今回の最高裁判決は、これまでの行政解釈・運用を追認したものといえます。

 1950年に施行された現行生活保護法は、日本国憲法第25条(生存権規定)を受ける形で、「国民」(=日本国籍を有する者)をその権利主体である旨定めました。そのことから、政府は一貫して外国人がその適用の対象ではない旨の行政解釈をしています。

 その運用としては、施行当初の厚生省の通知(1950年6月18日「生活保護法における外国人の取扱に関する件」)では、外国人一般について「放置することが社会的人道的にみても妥当でなく他の公私の救済の途が全くない場合に限り、当分の間、本法の規定を準用して保護して差支えない」と自治体の裁量が強かったのですが、1954年の厚生省の通知(同年5月8日「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」)は「一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて……必要と認める保護を行うこと」として自治体の裁量を狭めています。

 さらに最近の事務連絡文書(2009年3月31日「生活保護問答集について」)では生活保護の決定実施の取扱いに準じた行政措置の対象を原則として認定難民、特別永住者、一般永住者等の「永住的外国人」に限定しつつ、永住的外国人以外の者に保護を適用するかについて「疑義がある場合には、厚生労働省に照会されたい」として、永住的外国人以外でも人道上やむを得ない場合には自治体の裁量で保護する余地を残しています。

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最終更新:2016/2/15(月) 4:53

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