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ブラックバイトの労働組合はうまく機能するか?

2014/8/6(水) 7:00配信

THE PAGE

 学生アルバイトへの賃金未払いなどに対抗する労働組合が結成されました。名前はブラック企業にちなんで「ブラックバイトユニオン」ということなのですが、アルバイトの労働組合というのはうまく機能するのでしょうか?

 この組合は、労働問題などに取り組むNPO法人のメンバーが中心になって結成したもので、不当な扱いを受けている学生アルバイトの相談に乗ります。

 ブラックバイトユニオンでは、「ブラックバイト」について、学生が学生らしい生活を送れなくしてしまうアルバイトと定義しています。長時間労働が常態化していたり、シフトを自由に決めることができず、学業に支障をきたすケースが増えているとしています。

 ある居酒屋では、着替えや掃除の時間は賃金が支払われず、1~2時間のサービス残業が常態化していました。コンビニでは、レジの金額が合わないと、連帯責任としてその日のアルバイト全員で差額を補填させられていたそうです。また唐揚げが売れ残った場合には、買い取りを求められたケースもあるようです。

 こうした事例が事実であれば、違法である可能性が高く、対処の仕方が分からないというアルバイト労働者にとってユニオンの存在は意味のあることかもしれません。

 一方で、劣悪な労働環境の是正という全体的な問題に対しては、ユニオン結成はあまり効果がないという意見もあります。

 アルバイトの最大の武器はいつでも辞められるという身軽さにあります。劣悪な労働条件を会社が強要しても、アルバイトが皆、辞めてしまえば、会社は合法的な条件を提示するよりほかなくなります。本来であれば、こうした市場メカニズムを使った解決策が図られることが理想的でしょう。

 日本は先進国の中では最低賃金が突出して低いことで知られています。弱肉強食社会の頂点に立つ米国よりも最低賃金が低いというのは、労働者が自身の権利をほとんど主張していないことの裏返しともいえます。

 ユニオンでは、経済的理由から簡単にはアルバイトを辞められない人が多く、こうした劣悪な環境に従事せざるを得ない人が多いとしています。また精神的に未熟で、会社からの要求を断り切れないという人が多いのかもしれません。

 しかしアルバイトとはいえ給料をもらうという意味では立派なプロですから、一定の権利を会社に主張することは労働者として最低限のスキルといってもよいものです。この問題はアルバイトだけのものではなく、日本の労働市場全体についていえることです。特に最近は人手不足が深刻ですから、労働者の立場は相対的に有利になっています。ユニオンの活動が、こうした部分をうまく後押しする形になれば、大きな成果といえるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/15(日) 3:36
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