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労働者の心身をむしばむパワハラ ── どう対処すべきか、笹山尚人弁護士に聞く

2014/8/7(木) 17:31配信

THE PAGE

 過酷なパワハラに追い込まれる労働者。だが、パワハラをされても生き残っていかなくてはならない。なぜパワハラが問題になるか? 労使ともにどうすべきか? パワハラ問題に詳しい笹山尚人弁護士のお話を伺った。

パワハラに対してどう対処すればいいのか?

─── なぜ、いまパワハラが問題になっているのですか?
笹山 「以前はこんなことは当たり前だった」と年配の人は言いますが、時代環境が異なっています。人権意識の高まりに加え、社内の人間関係が希薄化し、フォローしてくれるような上司も一緒にうさを晴らしてくれるような同僚もいなくなり、ためこむしかなくなってしまうような職場環境に働かれている人が追い込まれているからです。
 この国の労働社会は、「メンバーシップ型」とかつてはいわれていました。しかし、非正規雇用の拡大や年俸制の導入により個別に成果を判断するようになり、働く人たちが切り離されているという現状もあります。この中で身を守ることも大事です。

─── パワハラ防止法というのは可能ですか?
笹山 過労死防止法という法律があります。しかし、これは国が対策を取り自治体や事業主に協力を求めるもので、啓蒙のための法律です。最初にできるとしたらそのような法律になると思います。

─── 現代のパワハラは「言葉の暴力」が中心です。どう対処すべきですか?
笹山 程度によりけりで、脅迫や名誉毀損なら警察に相談できますが、大半はそのような対処は難しいです。結局、事後的な民事での解決に救済を求めることになります。この場合は損害賠償請求になります。現場でストップするには、「やめろ」というしかないですね。

─── パワハラによる首切りにはどう対応すべきですか?
笹山 弁護士事務所では、相談してきたその人の要求がどこにあるかで対応を考えます。争う場合も争わない場合もあります。争う場合には、裁判や労働審判を行います。

─── 争うことは、大事なんですか?
笹山 自分が受けた仕打ちを第三者にわかってもらうというプロセス自体が大事です。裁判官が言った何気ない一言で救われる、ということもあります。人格を回復するという救済機能があり、くやしいと思う気持ちが断ち切れないのならやるべきだと思います。また、パワハラの程度によっては加害者の処分もありえます。

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最終更新:2016/1/22(金) 3:28
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