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安倍政権がこのタイミングで内閣改造に踏み切る理由とは

2014/8/7(木) 18:00配信

THE PAGE

 安倍政権が内閣改造に踏み切ります。内閣改造はどのような目的で実施するものなのでしょうか。

 今回の内閣改造の表向きの理由は、集団的自衛権に関する憲法解釈変更に伴う法整備や、地方創生に向けた体制作りです。しかし、内閣改造の本当の狙いは、刻々と近づく解散総選挙への準備といわれています。

 現在の衆院議員の任期満了は2016年12月となっており、同じ年の7月には参院選も行われる予定です。年に2回の国政選挙は政党にとって負担が大きく、与野党ともにこの事態は避けたいと考えています。解散権は「伝家の宝刀」とも呼ばれ、首相の権力の根源をなすものです。いつ解散するのかは、首相のみが知ることなのですが、こうした政治日程を考えると、それほど遠くない時期に安倍氏が解散を決断する可能性は高いと考えられています。

 基本的に自民党の政治家は、当選回数順で大臣や副大臣などのポストが割り当てられます。自民党は民主党政権時代には野党でしたから、与党が続いていれば、とっくに大臣や副大臣になっていたはずの人がたくさんいるわけです。選挙の時には、元○○大臣という肩書きは重要ですから、なるべく多くの政治家をポストに就かせることが重要となります。このタイミングで内閣改造を実施する最大の理由はここにあります。

 また安倍氏にとって、次の選挙で勝利することは、長期政権を実現するための重要なステップといえます。どの内閣もそうですが、就任から時間が経ってくると支持率が低下してきます。最新の世論調査では、支持率が軒並み50%を切っており、政権発足以来、最低水準を記録しました。安倍氏としては、内閣改造で新しい風を吹き込み、その勢いで選挙に突き進みたいところでしょう。

 選挙で勝利すれば、安倍氏は政局の主導権を握ることができますから、その後は、大臣ポストをちらつかせて、党内をコントロールすることが可能となります。かつて長期政権を実現した小泉元首相や中曽根元首相は、内閣改造による人事をうまく使って、影響力を維持してきました。

 一方、内閣改造にはリスクもあります。新任の大臣による失言やスキャンダルがあると、逆に政権への打撃になってしまいます。第一次安倍内閣はまさに大臣の不適切発言や不祥事が命取りになっていますから、安倍氏としては、同じ失敗を繰り返すわけにはいきません。

 新聞報道によると、安倍氏は幹事長の石破氏に対して安保法制担当相への就任を打診しているそうです。安倍氏にとって目下最大のライバルは石破氏であることは間違いありません。党の職務をすべて統括する幹事長から石破氏を外し、閣内に取り込むことで、倒閣の動きを封じようとしていると考えられます。石破氏が最終的にどのポストに就くのかで、安倍改造内閣の方向性はおおよそ決まってくるでしょう。

(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2015/10/27(火) 3:08
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