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<ウクライナ情勢> 欧米のロシアへの経済制裁はどんな影響があるの?

2014/8/8(金) 17:00配信

THE PAGE

 ウクライナ情勢をめぐり、米国や欧州連合(EU)がロシアに対して経済制裁に踏み切りました。それに対してロシアは7日、報復措置として制裁発動国からの農産物などの輸入禁止を発表。欧米とロシアで経済制裁の応酬となっています。ロシアからの制裁対象に日本は含まれていませんが、そもそもの米国やEUによるロシアへの経済制裁は、どのような内容で、ロシアにどのような影響があるのでしょうか。

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●制裁内容と背景

 「西側」がロシアを制裁したのは、この3月にロシアがクリミア併合を宣言したことを端緒とします。その後ロシアが東ウクライナに義勇兵を送り込み、都市の占拠を続けたこと、また7月のマレーシア航空撃墜にロシア義勇兵がからんでいる可能性が強いことにより、対ロ制裁は数次にわたって強化されました。その内容は当初、ロシア政府・財界要人の入国禁止、及び彼らの在外資産の凍結が主でしたが、7月に米国が発表した追加制裁にはロシアのエネルギー関連案件及び大銀行への融資の禁止、エネルギー開発関連技術の供与の禁止、またEUが発表した追加制裁にはロシアでの投資案件に対する融資の禁止が含まれました。

 EUはこれまで対ロ制裁を強化しろとの米国の圧力に抵抗してきましたが、撃墜されたマレーシア航空の乗客にオランダを初めとするEU諸国国民が多数いたことから、世論の対ロ反発が高まったのを受けたものです。

●経済制裁の影響

 ロシアは当初、西側の制裁に対してタカをくくっているような態度を示していましたが、実際には早い段階からロシアの実業家達はプーチン大統領 に慎重な対応を求めていたものと思われます。ロシア国内の制度が不便であること、投資機会が少ないことから、ロシアの実業家たちはその資金の多くを西側で運用しているのですが、それを捕捉、凍結されてはたまったものでないからです。

 さらに、ウクライナ情勢の悪化を嫌って、内外の資本はロシアから急速に流出しつつあり、今年は1000億ドル弱の純流出が予想されています。加えて、高金利のロシアを嫌って欧州で借り入れや起債を始めていたロシア企業は(BIS=国際決済銀行 によると、欧州の銀行はロシアに約1800億ドルを貸し越しています)、その機会を奪われるでしょう。

 こうしてロシア国内では資金が不足しているのに、ロシア中銀は7月末、ルーブル下落を防ぐため金利をさらに上げました。ロシア経済は昨年から停滞の様相を強めているので(昨年の実質成長率は1.3%)、これらの要因は景気をさらに冷やす方向に作用し、今年のロシア経済はマイナス成長に落ち込む可能性も指摘されています。

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最終更新:2016/2/10(水) 3:46
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