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ゼンショーの業績悪化、他の外食産業も他人事じゃない?

2014/8/12(火) 7:00配信

THE PAGE

 大手牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングスが通期で赤字に転落する見込みとなりました。深夜の1人運営体制など、厳しい労働環境を放置してきた結果と受け止められていますが、角度を変えると少し違った風景も見えてきます。

 同社の4~6月期決算は9億2300万円の営業赤字に転落しました。同社が展開する牛丼チェーン「すき家」においてアルバイト店員が集まらず、200を超える店舗で一時休業や深夜営業中止に追い込まれたことが直接の原因です。同社では、深夜時間帯の1人勤務の体制を見直すことを決定しており、今後は人件費が大幅に増加する見込みとなっています。このため、当初は41億8000万円の純利益を想定していた通期決算についても、13億7000万円の赤字に下方修正しました。

 同社に対しては過重労働やサービス残業が常態化しているとの指摘があり、同社もその実態について認めています。今回の業績悪化が、従業員に過大な負担をかける無理な経営の結果であることはほぼ間違いないでしょう。

 しかし、これが同社特有の話なのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。外食産業をはじめとしたサービス業は、どこも似たような状況であり、最近ではかなりの賃金を提示しても人が集まりにくくなっているからです。労働力が不足する背景には、相対的にキツい環境の仕事を回避する人が増えているということもありますが、もっと大きな要因として、労働力人口の不足という問題が存在しています。

 日本はこれから人口減少が加速すると予想されていますが、人口減少の影響がもっとも早く顕在化するのは若年層です。中高年の労働力人口は今のところ横ばいが続いているのですが、総務省の調査によると、若年層の労働力人口はここ10年で2割も減少しました。もともとキツい仕事が好まれない状況に加えて、労働者の絶対数が激減しているのです。ゼンショーのような極端な状況にはならないにしても、相対的にキツい環境にある業種では、慢性的な人手不足が続く可能性が高いと考えてよいでしょう。今後は、人手不足から予定通りの事業展開ができず、業績が伸び悩む企業も増えてくるかもしれません。

 人手不足を克服するためには、ロボット化など生産性を高めるための仕組みを導入する、移民を増やすなどいくつかの対策があります。これらの対策を実施すれば、私たちは単純労働から開放されることになりますが、逆に言うと、単純労働以外で高い報酬を得るためには、さらに高度なスキルを身につける必要が出てくることを意味しています。
 
(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/9/8(火) 4:53
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