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田舎暮らしをしたい人の割合増える、地方の人口流出に歯止めはかかるか?

2014/8/14(木) 7:00配信

THE PAGE

 都市部に住む人で、農村漁村に住みたいと考える人の割合が大幅に増えています。こうした意識の変化は、地方から都市部への人口流出に歯止めをかけるきっかけになるのでしょうか。

 内閣府が行った世論調査によると、都市部に住む人のうち、「農山漁村地域に定住してみたいという願望がある」と答えた人の割合は約32%で、前回調査(2005年)と比較すると約11ポイントも増えました。

 年齢別では20代がもっとも高く約29%の人が、願望があると答えています。一方、もっとも低かったのは70歳以上で、願望があると答えたのは約23%でした。特に70歳以上は「願望がない」と答えた人の割合が約56%と突出して高いという特徴があります(20代は20%)。全体としては、若いうちは田舎暮らしに憧れ、高齢化に伴って現実的になり、利便性が高く、医療機関へのアクセスが容易な都市部を望むという構図です。前回調査から比較すると、全体として農村漁村に住みたいと考える人の割合は上がっていますが、年齢別の傾向はそれほど変わっていません。

 日本では人口の減少が大きな社会問題となっています。政府の人口問題に関する有識者委員会では、人口減少によって自治体の4分の1が消滅してしまう可能性があると指摘しています。元総務大臣の増田寛也氏は自治体の消滅を防ぐためには「地方の人口流出に歯止めをかける政策が必要だ」と主張しています。一般的に人口が減少してくると、都市部への人口集中が発生する可能性が高いのですが、この流れを食い止めようという増田氏のような主張がある一方、自然の流れに逆らわず、スムーズな人口移動を支援した方がよいとの意見もあります。

 地方の人口流出を食い止める場合には、流出を防ぐ施策に加えて、都市部から地方に移住することを支援する施策も併せて実施する必要があります。農村漁村への定住願望のある都市住民は、その有力候補ということになります。

 同調査では、農村漁村への定住願望を実現するために必要なこととして、医療機関の存在をあげた人は68%に達しています。また生活ができる仕事があることと答えた人も約62%にのぼっています。当たり前といえば当たり前ですが、豊富に仕事があることと、医療機関へのアクセスが容易なことは、重要なポイントとなりそうです。

 特に高齢になればなるほど、都市生活を希望する人が増えてくるという状況を考えると、医療機関へのアクセスは特に重要なテーマかもしれません。

 もっとも、都市部に住む若者が、すぐに移住したいかというとそうではなさそうです。移住の時期については、20年以上先とした人の割合は約半数に達する一方、すぐにでもという人はわずかに3.4%でした。定住したいという願望は、もしかすると、願望のままで終わる可能性もあります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/23(土) 4:22
THE PAGE