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代理出産が引き起こす問題とその背景

2014/8/15(金) 13:03配信

THE PAGE

つい最近24歳のタイ人女性が代理出産をした二人の赤ちゃんの一人がダウン症であったことで、依頼したオーストラリア人夫妻が引き取りを拒否したニュースが世界中の耳目を集めた。双方の言い分が異なるので真相は何かわからないままになっているが、代理出産にまつわる問題の一つを浮き彫りにしたことは確かだ。さらに日本で日々ニュースになっているのが、タイで10人以上の子供を代理出産で作り、それが何の目的かわからないことである。

■インドでは代理出産のビジネスモデルが誕生

体外受精の技術が確立している現在、夫婦間だけではなく、卵子と精子さえあれば体外で受精卵を作り、それを別の女性の子宮に戻すことで妊娠・出産が可能になる。同性愛者同士間でも代理出産という方法を使えば、子供を持つことが可能になり、実際実行しているカップルもたくさんいる。この方法をビジネスモデルとして2002年以来、国の産業としているのがインドである。しかし、最近インドでは代理母が帝王切開で出産したあとに合併症で死亡するケースが立て続けに起きて、医療のレベルが問題視されるようになった。

■アメリカは州によってさまざま 禁止され禁固刑が科される州も

代理出産と言えば、最初に頭に浮かぶ国はアメリカだが、州によって法律が異なり、現在積極的に行われているのはカリフォルニア州とネバダ州である。日本からの依頼もその2つの州に集中している。しかし、ワシントンDCのように代理出産を厳格に禁止しているところもあり、罰金刑と禁固刑もある。さらに日本から代理出産を依頼すれば、斡旋業者に払う料金も入れると一回の依頼で1500万円もかかるので、ここ2、3年、タイが代理出産を提供する国として人気が出てきた。

■タイの代理出産 高い医療技術も低コスト

タイの医療はインドとは違ってレベルが欧米並みである。その背景には医師が研修をアメリカで受け、最高レベルの生殖医療技術をマスターしているということだ。医療レベルが高いうえに、代理出産にかかる費用は1回500万円以下で済むのでアメリカの場合の3分の1以下である。タイでの代理出産は政府に認可された医療機関に限るが、法律で禁止されているわけではない。日本でも代理出産を禁止する法律はないが、代理母を見つけるのはかなり難しい。一方、タイでは代理母を見つけるのは簡単である。その主な理由は貧困に苦しむ人が日本と比べて圧倒的に多いことだ。夫が無職であれば、妻に代理出産をさせることで簡単に利益を得ることができる。代理母は、1回で60万円~100万円受け取るので、1回目の代理出産をして懲りた(2回目以降をやらない)としても、別の代理母を見つけることはすこぶる簡単である。

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最終更新:2016/2/24(水) 3:26
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