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甘利経財相「デフレ脱却宣言時期尚早」発言をどう見る?

2014/8/20(水) 7:00配信

THE PAGE

 甘利明経財相は8月15日の記者会見において「この時点でのデフレ脱却宣言は時期尚早」と発言しました。政府は今後の景気見通しについてどう考えているのでしょうか。

 13日に発表された4~6月期の実質GDP成長率は前期比マイナス1.7%となり、年率換算ではマイナス6.8%でした。これだけ大きなマイナスになったのは、消費増税の駆け込み需要の反動で個人消費が大きく減少したからです。ただこの数字は事前にある程度予想されていましたから、市場ではそれほどの驚きはありませんでした。1~3月期の数字はプラス1.5%ですので、最終的に景気がどうなっているのかを判断するためには、7~9月期の数字を見る必要があるでしょう。

 デフレ脱却宣言は時期尚早という甘利氏の発言は、様々な解釈な可能です。甘利氏は「足元の物価は上昇基調にある」と発言していますから、物価が上昇していることについては認めています。しかし、「多少のことがあってもデフレには戻らない程度まで回復しないとデフレ脱却とは言えない」という趣旨の発言も行っていることを考えると、物価目標を達成することはそれほど容易ではないと考えているようにも思えます。

 アベノミクスがスタートして以降、国内の物価は上昇が続いてきましたが、その多くは輸入物価の上昇による影響といわれています。輸入物価が上昇すると、国内の製品価格やサービス価格が上昇してきますから、全体の物価を押し上げる効果があります。

 ただし、物価が上がっても、賃金が上昇しないと、消費者は買い物の量を減らすことになります。その結果、消費が増えず、事業者は値引きせざるを得なくなり、物価の上昇ペースが鈍化することは十分に考えられます。

 長期的に見れば、増税の影響は軽微であるといわれていますが、上記のように経済の好循環が成立していない状況で増税が行われると、消費を大幅に冷やしてしまう可能性があります。日本はこれまで消費税の導入時と5%への増税時と過去2回、増税を経験していますが、今回のような、極端な駆け込み需要と大幅な反動は見られませんでした。駆け込み需要とその反動が大きいことは、家計の基礎体力が弱っている兆候かもしれません。

 甘利氏の発言は、今後しばらくの間は消費増税の影響が大きいことを見込んだものと考えられます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/14(水) 4:48
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