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「河内ワイン」物語性に富んだ多彩な体験型イベントが話題に/大阪

2014/8/20(水) 10:40配信

THE PAGE

 カップルでブドウ畑の手入れをし、収穫したブドウで作ったワインを、結婚式の引き出物に―。物語性に富んだ多彩な体験型イベントで話題を呼ぶワイナリーが、大阪府羽曳野市内にある。工場見学から農園ボランティアまで、楽しみながら学べるワインの里を訪ねた。

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小さいからこそできる丸ごと体験型ワイナリーに

 あべのハルカスでにぎわう天王寺から、近鉄南大阪線で30分ほど揺られると、駒ケ谷駅に到着。歩き出すと、数分で「河内ワイン」へ。都心から気軽に足を伸ばせるワイナリーは、全国的にも珍しい。ただいまブドウの収穫期を迎え、ワインの仕込みに追われている。

 主力種はデラウエア。金銅(こんどう)重行社長は「梅雨時に雨が少なかったのが幸いし、品質は上々。デラウエアの特徴である香りが甘く、酸味の効いたすっきりした味わいのワインに仕上がりそう」と、笑顔が弾ける。

 創業は1934年。羽曳野一帯では、明治時代から食用のブドウ栽培が盛んだった。しかし、34年、室戸台風の大阪直撃で、駒ケ谷のブドウ棚は大きな打撃を被る。そこで、ブドウ農家を救済するため、品質が変わらないのに出荷できなくなったブドウでワイン作りを始めたのが、同社創業者の金銅徳一さんだった。

 金銅現社長は4代目で、10名のスタッフと切り盛りしている。金銅さんは「マイナスをプラスに変える発想は昔も今も変わりません」と話す。ワイン業界では大手数社が市場の大半を押さえ、残りのわずかなシェアを、多くの地方ワイナリーで分け合う。金銅さんが生き残りをかけ目指したのは、「小さいからこそできる丸ごと体験型ワイナリー」への進化だった。

コラボ食事会や個人でも参加できる見学会を開催

 個人でも参加できるワイナリー見学を毎月開催。会費はひとり1500円。工場見学の他、おつまみ付きのワインの試飲などを楽しめる。金銅家の土蔵を改装したレストランでは、不定期の週末に、さまざまなジャンルのシェフを招いてのコラボ食事会を開催。河内ワインに合う創作料理が振る舞われる。

 二度と味わえない一期一会感覚が支持されて、毎回予約が埋まっていく。「食事会に参加したら次回の予約をして帰るというリピーターがたくさんいらっしゃいます。広告宣伝をしなくても、面白い食事会が開かれているとお客様がフェイスブックなどで発信していただくなど、口コミで広がるようになってきました」(金銅さん)

 たとえ大枚をはたいても買えない。それが自身の五感で味わう体験だ。ただし、見学会も内容が代わり映えしないと、飽きられてしまう。繰り返し足を運んでもらえるよう、金銅さんは毎回工夫を凝らす。

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最終更新:2014/8/20(水) 10:48
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