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元祖LCCのスカイマークが窮地、誤算は何?今後どうなる?

2014/8/21(木) 7:00配信

THE PAGE

 国内航空3位のスカイマークが窮地に立たされています。きっかけは超大型旅客機A380の購入をめぐるエアバス社とのトラブルです。同社の経営は大丈夫なのでしょうか。

 スカイマークは、日本においてLCC(格安航空会社)という言葉がまったく知られていなかった1996年に事業を開始。低価格を武器に、がんじがらめの規制により他国に比べて著しく高かった日本の航空料金に風穴を開けてきました。もし同社の存在がなければ、日本においてLCCが普及することはなかったかもしれません。

 一方で、同社は、事実上の独占企業であるJALやANAに対抗するため、かなり無理を重ねてきたのも事実です。コストを優先させるため「機内での苦情は一切受け付けない」と記した文書を配り、物議を醸したこともあります。

 同社は状況を一気に打開するため、超大型旅客機A380を使った本格的な国際路線への進出を計画。エアバス社に対してA380を6機発注し、前払い金として約260億円の支払いを行いました。A380の購入は総額2000億円にもなる巨額な投資であり、総資産が700億円程度の同社にはかなり重い負担といえます。

 ただ、エアバス社に発注した時点では十分な利益を上げていましたし、同社はそれまで無借金経営を続けていましたから、負担が重いとはいえ、当初は問題なく国際線事業に参入できる算段でした。こうした同社の目算を狂わせてしまったのが、一気に進んだ円安です。燃料費が予想以上に高騰したことで、同社の経営が急激に悪化。支払い能力に疑問を持ったエアバス社が、A380の契約解除を通告する事態となってしまったのです。

 同社とエアバス社の間で締結した契約の詳細は明らかではありませんが、すでにエアバス社に対して支払った前払い金が返還されない可能性があるほか、場合によっては700億円の違約金を請求される可能性も出てきています。同社の財務状況を考えると、260億円の前払い金については何とか乗り切ることが可能ですが、本当に700億円の違約金が請求されることになった場合、同社は資金繰りに窮することになります。銀行から緊急で融資を受けるか、増資を行うといった措置を実施しない限り経営の維持は難しいでしょう。

 同社は経営立て直しのため、成田発着の国内線について完全撤退する方針を固めています。これはあくまで今後の採算性を考えての方策です。当面の状況については、エアバス社の出方次第ということになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/15(金) 4:52
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