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シティバンクが日本から撤退、背景に外銀と邦銀の収益構造の違い

2014/8/28(木) 7:00配信

THE PAGE

 日本国内では最大規模の外資系銀行であるシティバンクが、個人向け銀行業務を売却する方針であることが明らかになりました。シティバンクとはどのような銀行なのでしょうか。

 シティバンクは利用したことのない人にとってはほとんど馴染みのない銀行かもしれませんが、日本のメガバンクと同じくらいの歴史を持つ銀行として知られています。同行がはじめて日本に支店を開設したのは明治35年(1902年)のことになります。

 現在の三菱東京UFJ銀行の前身である三菱銀行が業務を開始したのは大正時代に入ってからですし、みずほ銀行の前身のひとつである日本勧業銀行の創業は1896年と、シティによる支店開設の少し前です。戦後に業務を開始した銀行も多いことを考えると、シティバンクは近代日本の歴史の一部といってもよい存在なわけです。

 シティバンクを運営する米シティグループが、伝統ある同行の売却を決めたのは、日本では超低金利が続き、十分な収益を確保することができなくなったことが原因といわれています。

 米国など諸外国の銀行は基本的に手数料収入を主な収益源としています。これに対して日本の銀行は融資による利子が主な収益源です。同じ銀行といっても、その収益構造は大きく異なっているのです。

 手数料収入には、送金、引き出しなど日常的な業務によるものと、金融商品の販売の2種類があります。日本の場合、金利が低く、魅力的な商品を顧客に提供することができません。このため、金融商品の販売で大きな手数料収入を得ることは難しいのです。

 米国の銀行は、過度に融資を行って融資先の倒産リスクを抱えることを嫌いますから、日本の銀行のように企業に対して大規模な融資を実施することもできません。シティバンクでは、利回りの高い商品を無理に顧客に販売したこともありましたが、不適切な販売で金融庁から業務停止命令を受けてしまいました。現状では、米国並みの収益維持は無理と判断し、撤退の決断となったようです。

 ただ日本の銀行から見ると、シティバンクの顧客基盤は魅力的に映ります。外資系金融機関の職員や海外との行き来が多い国際的なビジネスマンなど比較的所得の高い層が多いからです。メガバンクなど多くの邦銀が買収に関心を示しているといわれます。

 しかし、邦銀に買収された場合には、シティが持っていた国際的なインフラは使えなくなりますから、海外送金などの利便性は低下すると考えられます。シティの既存顧客をどれだけつなぎ止められるのかは未知数です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/21(日) 4:49
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