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軽井沢に開校したインターナショナル・スクールは日本の教育を変えるか

2014/9/1(月) 7:00配信

THE PAGE

 女性社会起業家の手によるユニークな全寮制インターナショナル・スクールが8月24日、軽井沢に開校しました。国際的な大学入学資格が得られる国際バカロレアのプログラムを提供する一方で、日本の高校卒業資格を得ることができます。同校の取り組みは、画一的だといわれる日本の教育を変えるきっかけになるのでしょうか。

 開校したのは「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢」。従来のインターナショナル・スクールの多くは、無認可か、学校教育法における「各種学校」の扱いとなっており、日本の学校の卒業資格は得られません。国際的な感覚を身につけさせようと、子供をインターナショナル・スクールへ入学させたいという親は多いのですが、大学などへの進学がネックになっていました。一部のインターナショナル・スクールは、学校教育法第1条に基づく認可を得ており、日本の卒業資格を得ることができますが、こうした学校はまだまだ少数派です。

 同校は、海外から半数以上の留学生を受け入れる全寮制のインターナショナル・スクールとしては、日本で初めての1条認可校という位置付けになりますが、日本の卒業資格を得られるという意味では、初のインターナショナル・スクールではありません。それにもかかわらず、同校がメディアで注目を集めているのは、同校の創設者であり代表理事でもある小林りん氏が、40歳という若さの女性社会起業家であり、財界の著名人が発起人やアドバイザーに名を連ねているからです。

 小林氏は、カナダの全寮制インターナショナル・スクールに留学後、国際バカロレア資格を取得し、東京大学経済学部を卒業しました。卒業後は外資系投資銀行や国際協力銀行などに勤務。その後、スタンフォード大学で教育学の修士号を取得し、国連児童基金(ユニセフ)のプログラムオフィサーとしてフィリピンにおいてストリートチルドレンの教育に携わった経験を持っています。インターナショナル・スクールを作りたいという彼女の夢に賛同した日本の財界人が支援し、開校にこぎ着けました。同校のアドバイザーや発起人には、ソニー元会長の出井伸之氏など著名人がズラリと名を連ねています。

 気になる費用ですが、学費は年間250万円、寮費が年間100万円、このほかに年間30万円の施設費と60万円の入学金が必要となります。ただ、同校では、合格者の約半数に奨学金を適用する方針を掲げており、一般からの寄付に加えて、ふるさと納税制度を使った補助金を財源とする奨学金制度が準備されています。

 同校のある軽井沢町は、ふるさと納税制度の対象として同校を認定しており、軽井沢町に対するふるさと納税による寄付(教育応援分)の3分の2が同校に対して補助されるそうです。

 そもそもインターナショナル・スクールという位置付けにおいて、国内の卒業資格が得られることが、どの程度のメリットになるのかは、実際に卒業生が進学や就職をしてはじめて明らかになります。同校の成果について判断するのはもう少し先のことになるでしょう。ただ、選択肢が少ないという日本の教育の現状に風穴を開けることだけは間違いないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/11/17(火) 4:26
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