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「カジノ構想」これまでに浮上した候補地は 経済効果はどれくらい?

2014/9/1(月) 14:00配信

THE PAGE

 この秋に始まる臨時国会において、我が国のカジノ合法化と統合型リゾート(通称:IR)の導入を実現する「IR推進法案」の成立が期待されています。安倍政権の掲げる成長戦略の一つと目される統合型リゾートには、各自治体からの期待も高く、その誘致に向けた激しい競争が水面下ですでに巻き起こっている状況です。

 現在、都道府県が主体となって統合型リゾートの設置検討に取り組んでいる事例は全国で北海道、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、和歌山県、長崎県、沖縄県の8件が存在してます。これら都道府県は、統合型リゾート設置の前提となる基礎調査の実施や、検討委員会の設置などを行なっており、これらが現時点において最も統合型リゾートが開発される可能性が高い地域といえでしょう。一方、未だ都道府県レベルのコミットメントはないものの、市町村、もしくは商工会議所などの地域商業界が主体となって誘致検討を行なっている地域も存在しており、秋田県、宮城県、石川県、静岡県、徳島県、福岡県、宮崎県などが挙げられます。

経済効果は試算によってバラつき

 当然ながら、各自治体が期待しているのは、統合型リゾート導入によって生み出される経済効果です。しかし、予想される経済効果の規模に関しては推計を行なう主体によってかなり幅が大きくバラつきがあるのが実情です。

 例えば、近年発表された中で最も大きな経済効果推計値を出しているのが、本年7月に広告代理店大手・博報堂が行なった調査です。博報堂は、独自に行なったアンケート調査を元に我が国の統合型リゾート導入によって、全国合計で最大13.5兆円の潜在的な市場が出現し、東京に統合型リゾートが建設された場合には最大2.9兆円の市場が形成される可能性があると発表しました。一方、今年の4月、外資金融大手UBSはその投資家レポートの中で、国内に3軒の統合型リゾートが誕生したシナリオの元で全国総計で約9,500億円、東京に施設開発がなされた場合には約5,000億円の市場が形成されるとの推計値を発表しています。

 このように、推計値が大きく分かれてしまうのは、推計を行なう前提条件やそのポリシーが各調査によって異なるためです。前者の博報堂は、アンケート調査の中から目一杯の「最大の数字」を出そうとしたもの。一方、後者のUBSによる推計は事業ベースで現実的な数字を出そうとしたものといえます。前者は潜在市場としての最大値、後者はそこから実際に生まれてくる事業ベースでの市場規模として捉えるべきでしょう。

訪日外国人の誘客なるか

 また、特に政府が今回のカジノ合法化に期待しているのが、国際観光振興に対する効果です。現在、安倍政権は2020年の東京オリンピック開催と統合型リゾートの同時開業を目指し、内閣官房内に関係省庁からの出向者による特命チームを緊急召集しています。安倍政権は、現在約1000万人である訪日外国人客数を、2020年までに2000万人、2030年までに3000万人にするという非常に野心的な目標を掲げています。カジノ合法化と統合型リゾートの導入は、そのような達成目標を実現するための一施策であるといえるでしょう。

(木曽崇/国際カジノ研究所所長)

最終更新:2016/2/23(火) 4:34
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