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「クールジャパン」戦略で「英語特区」構想ってどういうこと?

2014/9/2(火) 7:00配信

THE PAGE

 日本の文化や伝統、コンテンツを国際展開するための取り組みである「クールジャパン」戦略が、より現実的なフェーズに突入しています。政府のクールジャパンムーブメント推進会議は8月26日、具体策を取りまとめた「クールジャパン提言」を発表しました。提言には様々な内容が盛り込まれているのですが、中には、勢いが余ってしまったのか、少々摩訶不思議な内容も散見されます。

 クールジャパンムーブメント推進会議は、電通、JETRO(日本貿易振興機構)など、海外宣伝を得意とする企業や組織、タレントの篠原ともえさんや、バイオリニストの葉加瀬太郎さんなどを主な構成員とする政府の会議です。

 会議では「クールジャパンの概念には、様々な要素が詰め込まれているため分かりづらい」と指摘。クールジャパンを明確にデザインするために「クールジャパンとは何なのか?」「クールジャパンを何のためにやるのか?」「クールジャパンで何ができるのか?」という3つの課題を掲げ、提言としてまとめました。

 具体的には「国内の成長を促す」ためには、海外と活発に交流できるコミュニケーション能力が必要であると主張。クールジャパン留学制度の充実や、公用語を英語とする英語特区の創設などが盛り込まれました。また「海外と国内を繋ぐ」ため、日本のブランドイメージの海外発信強化や観光地サイトの多言語化などが必要としています。さらには、「日本の課題と世界の課題を自分ゴト化する(原文ママ)」という、役所の提言とは思えないような大胆な造語も用いられ、日本と世界の課題情報を可視化する必要があると提言しています。

 クールジャパンという言葉とは正反対に、非常に「熱い」提言書なのですが、ネット上では様々な意見が飛び交っています。特に反響が大きいのは、やはり英語に関する部分のようです。

 確かに「国内の成長を促すために」、海外で学ぶ留学生を増やすというのは少々ピントがズレた印象があります。日本文化を海外に発信できる人材を育成するために、留学を推奨するという意図なのは分かりますが、従来からある海外留学支援制度と何が違うのかは、はっきりしません。

 また、特区に関する提言では、公用語を英語とする新しい特区を創設し、気軽に「英語漬け」になる環境を提供するとしています。特区内では、公共の場での会話を英語に限定することや、販売される書籍や新聞を英語媒体にすることなどが想定されています。また、特区内で事業活動する企業が、社内共通語を英語にした場合には、税制上の優遇措置を講じることも検討するとしています。ネットでは「特区の会社は皆、楽天になるということ?」などという声が出ています。

 あくまでこれは提言という位置付けですが、現実の政策に落とし込むには紆余曲折がありそうです。コンテンツや文化という形のないものを育成するというのは、これまで形のあるものばかり扱ってきた日本の行政にとってはなかなか難しいテーマのようです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/9/26(土) 3:47
THE PAGE

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