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深刻化する子供の貧困問題、政府の対策は効果があるのか?

2014/9/3(水) 7:00配信

THE PAGE

 政府は「子供の貧困対策大綱」を閣議決定しました。近年、日本では子供の貧困が大きな社会問題となっていますが、政府の対策は効果があるのでしょうか。

 日本の子供の貧困率(平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合)は16.3%で過去最高を記録しました。日本は先進国の中でも米国並みに貧困率が高いことで知られていますが、全体の貧困率の上昇に伴って子供の貧困率も増加している状況です。

 子供の貧困率が上昇してきた最大の原因は、シングルマザーの増加にあると考えられます。日本では女性の就労機会が限定されており、女性は正社員として働きにくい環境にあります。また、正社員と非正規社員には圧倒的な給与格差が存在しており、非正規社員の給料だけでは十分な生活ができないのが現実です。離婚をきっかけに就労した女性は非正規社員として働かざるを得ないことが多く、その結果、十分な収入が確保できない状態になっている可能性があります。

 高い才能を持った人は別ですが、ほとんどの人にとって、一定水準以上の生活を送ろうと思った場合、ある程度の教育を受けることが必須となります。子供の学力と家庭環境には密接な関係があるといわれていますから、親の生活環境によって子供が十分な学力を身につけられないというケースは少なくないでしょう。

 閣議決定された大綱では、貧困の世代間連鎖を解消するため、教育費の負担軽減、学校教育の学力保証、保護者の就労支援、無利子奨学金制度の充実など、数多くの施策が掲げられています。

 しかし、同じ子供の貧困対策といっても、どのような価値観に基づいて支援を行うのかで、そのやり方や結果は大きく変わってきます。

 学校教育を主軸とし、学校にさえきちんと通えばある程度の学力をつけられるようにするという考え方もありますし、経済的に困窮している家庭を直接金銭的に支援するという考え方もあります。また、直接的な支援をせず、保護者が自力で就労できるよう支援するという間接的な方法もあるでしょう。ただ、子供は親を選ぶことができませんから、保護者の生活が向上しなかった場合、その子供をどうするのかという問題は常に考慮に入れておく必要があります。

 日本では高い教育を受けることは、全員に与えられた基本的な権利ではなく、経済的に余裕がある人、あるいは自力で生計を立てられる人のみが享受できるものという考え方が一部にあります。このあたりの価値観は人それぞれかもしれません。

 しかし、日本経済は急速に成熟化、脱工業化が進んでおり、より付加価値の高い国内産業の育成が急務となっています。成熟化で先を行く米国では、かつて体力があれば十分だった第一線の兵員ですら、兵器の高度化によって高いITスキルが求められる状況となっています。本人が望むのであれば、誰でも高い教育を受けられるようにするのが、時代の流れといってよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/26(火) 4:34
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