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1億円を超える高額な役員報酬、妥当性はあるの?

2014/9/4(木) 7:00配信

THE PAGE

 三菱電機が1億円を超える高額報酬を受け取る役員を急増させたことが話題になっています。昨年、同社で1億円を超える人は1名でしたが、今年は一気に18人となりました。このような高額な役員報酬はどの程度、妥当性があるのでしょうか。

 三菱電機で高額報酬を受け取る役員が一気に増えたのは、円安で業績が回復したことに加え、同社が業績連動の報酬体系を導入しているからです。業績連動の報酬体系は、その名の通り、企業の業績に連動して役員報酬が変化する仕組みのことです。

 企業の役員報酬は一般的な従業員とは算定基準が異なります。従業員は基本的に働いた時間分だけ給料をもらうという考え方に基づいていますが、役員の場合には、会社の所有者である株主が、いくらでその役員を雇うのかというところで報酬が決まります。株主さえ問題視しなければ、どんなに高い報酬でも理論的には可能となるわけです。株主は会社の業績がよいほど儲かりますから、結局のところ、その企業がどの程度の利益を上げているのかで、妥当な水準が決まってくると考えてよいでしょう。

 三菱電機の2014年3月期の業績は、売上高約4兆円、当期利益は約1500億円、売上高に対する当期利益の割合は約3.8%でした。ちなみに1億円以上の報酬をもらった役員の数が2番目に多かったのはキヤノン(12人)ですが、同社の2013年12月期の業績は売上高約3.7兆円、当期利益は約2300億円となっており、売上高に対する利益率は約6.2%となっています。3位のファナック(10人)の2014年3月期の業績は、売上高約4500億円、当期利益は約1100億円、売上高に対する利益率は何と約24%もあります。

 上位3社を比較すると、圧倒的にファナックが高い利益率を誇っており、残り2社はお世辞にも高収益とはいえません。ちなみに、グローバルな製造業の代表といわれるGE(ゼネラル・エレクトリック)の利益率は約9%です。グローバルな水準で比較すると、十分な収益を上げているのは、やはりファナックだけということになります。

 日本企業の役員報酬は諸外国と比較して安いといわれています。ここ10年、日本企業の役員報酬はうなぎ登りに上昇してきましたが、その根拠となってきたのがグローバル基準との比較です。

 役員報酬をグローバル基準に合わせることの是非については、様々な意見がありますが、少なくとも業績に見合ったものでなければ、整合性が取れません。

 その点から考えると、誰から見ても妥当性のある報酬を得ているのは、上位3社ではファナックの役員だけということになるでしょう。日本企業の役員がグローバル基準の報酬を得るためには、まずは、諸外国に比べて著しく低いといわれている利益率を改善する必要があります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/29(金) 4:32
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