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<集団的自衛権を考える>武力行使ができるのはどんな時?「基礎編」

2014/9/6(土) 15:00配信

THE PAGE

 集団的自衛権という言葉が頻繁に話題に上るようになったのは1990年の湾岸危機の頃からですが、我が国は「集団的自衛権を持つが行使はできない」という立場でした。安倍内閣はこの問題を含め安全保障のあり方に関する検討を行ない、2014年7月1日に新しい方針を閣議決定しました。

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第三国が攻撃を受けた場合でも対応

 そもそも集団的自衛権とはどういう意味でしょうか。「自衛」は比較的明確です。A国がB国から武力攻撃を受けた場合、A国として自国を守ろうとし、そのために武器を取って戦うこともあります。これが「自衛」であり、これは人類の歴史とともにありました。

 しかし、「集団で自衛する」というのは分かりにくいことです。A国とB国だけでは説明がつきません。「集団で自衛する」という概念は昔はなく、1945年に国連憲章が世界で初めてこの言葉を使ってから世に知られるようになりましたが、その意味ははっきりせず、さまざまな解釈が生まれました。

 集団的自衛とは、B国によって武力攻撃された国がA国ではなく第三のC国であっても、AとCが共同してBの攻撃に対処することです。A国は、自国が攻撃されているのではないのですが、C国と集団で防衛するのです。

「他国を助けない」は日本の安全保障に支障

 しかし、日本はA国のようにC国を防衛することはできませんでした。日本国憲法が禁止していると解釈していたからであり、したがって「日本は集団的自衛権を持つが行使できない」という立場であったのです。しかし、これでは国際社会の責任ある一員であり、他国に防衛してもらっている日本国として不都合である、他の国を一切助けないというのでは結局、日本の安全保障にも支障が出てくる恐れがあると考えられるようになり、集団的自衛権をあらためて検討し直そうということになりました。

 そうは言っても憲法は国家のあり方を定めた根本規範であり、それについて歴代の政府が積み重ねてきた解釈は重いものです。尊重されなければなりません。したがって、集団的自衛権について検討し直すと言っても、憲法解釈の信頼性を損なわないようにしなければなりません。

 最大、かつもっとも困難な問題は、日本がA国のようにC国を助ける道を開くとしても、どのような要件でそれを認めるかということでした。個別の自衛の場合は、「急迫不正の侵害を防ぐため」「他に方法がない時」「反撃するとしても最小限で」などの要件を満たすことが必要であることが国際法で確立しています。

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最終更新:2015/9/24(木) 4:46
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