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マリナーズ岩隈が勝てる理由は心理戦

2014/9/7(日) 12:49配信

THE PAGE

「たまたまっす。成績はたまたまっすよ」。

9月5日のレンジャーズ戦で14勝をマークし、サイ・ヤング賞候補でもあるマリナーズの岩隈久志に、好調の要因を問うと、そう言って笑った。「たまたま以外に何もない。まぐれっすよ」

いやいや。

・2012年7月に先発に転向してから、今年8月31日まで、2年2ヶ月の防御率2.74はリーグトップ
・今季、9イニングあたりの四球の数は、0.75でリーグトップタイ
・K/BB(奪三振と与四球の比率)が9.77でア・リーグ2位。(K/BBは、制球力の良さを示す一つの指標で、5.00を超えれば 優秀などと言われるが、岩隈はその基準値の2倍近い数字をたたき出している)
・WHIP(1回あたりに何人の走者を出したかを表す数値)が、0.97でリーグ3位。
・LOB%(残塁率)は、79.7%でリーグ3位。

※9月2日現在 すべて、ア・リーグ先発投手が対象  

挙げようと思えば、まだいくらでもあるけれど、『たまたま』や『まぐれ』では、こんな数字は出ない。岩隈は先発に転向してからの防御率がア・リーグでトップであることを知らなかった。

「そうなんすか。へぇ~」。

まるで人ごとである。なんかあるでしょう? 岩隈にもう一度聞くと、「そうですねぇ~」と言ったあと、「まあ、バッターは凄いですけど、技術の凄い打者も多いですけど、振ってくれるんですよね」と話し始めた。

ーー振ってくれる?
「そう。日本みたいに、見て、ファールしてとか、当ててくる感じではない。振ってくる。ホームラン出るか、出ないか、みたいな。そんなバッターばかりではないですけど、そういうバッターが多い」

ーーそういう打者の方が、与(くみ)し易い?
「その方が、僕は投げやすいですね。振るだろうというタイミング、カウントとかを考えて、そこでこのボールを投げたら振ってくれるんじゃないのか、というのがあるから」

ーーとなると?
「それをそこへ投げられるかどうかじゃないですか」

それが岩隈のピッチングの真髄。単にストライクが投げられるから、岩隈が凄いわけではない。この球をこのコースへ投げたら打ち取れる、というイメージを持ったとき、その通りの球を投げられるかどうか。そもそもそれが、制球力の定義だろう。

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最終更新:2016/2/13(土) 4:23
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