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内閣改造で安倍政権は長期化するか?

2014/9/11(木) 10:00配信

THE PAGE

 9月3日に安倍改造内閣がスタートしました。マスコミの世論調査でも総じて支持率が上がっており、新内閣はよいスタートを切ったと考えてよいでしょう。

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 今回の内閣改造と党役員人事が成功した最大の理由は、人材配置のバランスにあるといわれています。内閣改造にあたって最大の懸案事項となっていた石破茂元幹事長の処遇は、地方創生担当相としての入閣で最終決着しました。石破氏はこれで内閣の一員となってしまいましたから、来年9月の総裁選で安倍首相の対抗馬として党内の支持を固めるのは難しい状況となりました。これで石破氏を中心に、ポスト安倍の動きが活発化する可能性はかなり低くなりました。

 石破氏の後任の幹事長には、何と党総裁経験者の谷垣禎一前法相が就任することになりました。谷垣氏は消費税の増税論者ですから、谷垣氏の幹事長就任は、消費税10%増税へ向けた布石という見方もあるようです。しかし、もっとも大きいのは党内勢力のバランスと考えられます。

 現在の自民党は以前のように党内が完全に派閥によってグループ化されているわけではありません。しかし、従来の派閥は緩い形ですが、今でも存続しています。谷垣氏は宏池会(現岸田派)の流れを汲むグループで、現在でも党内に一定の影響力を持っています。兄弟派閥である岸田派からは岸田外相が留任となっていますので、宏池会系のキーパーソンは主要な役職で処遇したことになります。

 派閥力学という点で、安倍氏と敵対する可能性が大きいのは、安倍氏が属していた清和会と長年、敵対的な関係にある経世会(現額賀派)ということになります。清和会と経世会の確執は、安倍氏が政治の師として仰ぐ、祖父の岸信介元首相の時代にまで遡る根深いものです。安倍政権としては、経世会のメンバーを中心に反主流派が結束する事態は何としても避けたいと考えています。経世会からは、小渕優子氏と竹下亘氏がそれぞれ起用されました。両名とも名前から分かるように、経世会を代表する元首相経験者の親族です。さらに旧中曽根派の流れを汲む二階派からは、これまでTPPに強く反対していた西川公也氏が農相として入閣しています。

 特定の派閥には属していませんが、安倍氏にとって最大のライバルであった石破氏を閣内に取り込み、経世会と宏池会など主要派閥を重要ポストで処遇した今回の人事は、まさに長期政権を意図したものといえます。

 消費税10%増税による国民の反発や景気失速など、安倍政権が自身の政策の進め方によって政権基盤を失う可能性はゼロではありませんが、他の派閥との権力闘争によって政権が弱体化する可能性は、当分の間、低くなったと考えるのが妥当でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/5(月) 4:46
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