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「安倍政権の支持の背景には、民主党の失敗がある」 政治学者・中野晃一【インタビューPart 3】

2014/9/14(日) 10:44配信

THE PAGE

※この動画と記事は、以下のインタビュー記事の一部分をピックアップしたダイジェスト版です。
安倍改造内閣「支持」の背景は? 政治学者・中野晃一教授はどうみる?【フル動画&全文】(http://thepage.jp/detail/20140910-00000025-wordleaf?)

安倍改造内閣「支持」の背景は? 政治学者・中野晃一教授はどうみる?【フル動画&全文】

安倍晋三首相は3日、内閣改造を実施し、第2次安倍内閣が発足した。メディアは、女性閣僚を5人に増やしたことについて「女性の登用を前面に打ち出した」と大きく報じた。これに対し、政治学者の中野晃一教授は「女性ではあるけれども、極めて保守的であるということが任命の要。そこに触れた新聞は、あまり多くはない」と指摘する。海外のメディアにコメントを求められることも多い中野教授が、「安倍政権に対する支持の背景」について語る。

――内閣改造により、支持率が上がったとも伝えられています。

中野:ねじれが解消し、第2次安倍政権に至ったのは、真空状況で起きたことではありません。これまでの「政治改革」以来の、もう20年ぐらいの流れの中で起きていることです。直近で言えば民主党政権の誕生と、政権からの下落があったところで安倍さんが返り咲いたという流れです。今の状況は、一強多弱とも言われるように自民党1人勝ち、自民党内も安倍さん1人勝ちで、これといったライバル勢力があるようにも見えない。そういう状況なわけですね。
 同様にマスメディアと政治との関係、あるいは財界と政治との関係、官僚と政治家との関係、これらも全部、最近の歴史の中で形成されています。総じて、民主党の失敗、「ああいうのはもうこりごりだ」という総括を背景にして、今回の安倍さんに対しての、ラストチャンスのような期待感が、いやがおうにも高まっているのではないでしょうか。
 それで、特に政権に近ければ近いほど、安倍さんを守るというよう動きが出てくる。官僚は、民主党政権が官僚に対して敵対的だったのでやらなかったことを、安倍さんの場合には親身にやってあげるという動きになり、大きなメディアには、安倍さんを守る、癒着に似た関係が生まれてきている。

――政治改革以降の流れ、そして、最近の民主党の失敗から生まれた、ある種の期待感が支持の背景ということか。

中野:あれもこれも、うまくいかないでここまで来てしまったという中で、期待が高まったということだと思うんですね。逆に言うと、これに期待しなかったら何に期待すればいいのか、(代わる何かを)、野党側も含めて提示できていないという現実があるのだと思います。支持が必ずしも実態を伴ったものではないということの傍証というか、証拠は、例えば、2012年12月の衆議院選挙、そして去年の夏の参議院選挙です。自民党は大きく勝っているわけですが、投票率はいずれも戦後最低レベル。衆議院選挙の場合には、民主党に大負けした2009年のときに比べ、得票数は減っているにも関わらず圧勝したのです。多くの人たちが自民党に熱心に投票に行ったというより、投票所に足を運ぶ人が減り、野党も多党乱立になって票が割れ、今まであれば「反自民」、オルタナティブの最大の受け皿であった民主党が、相変わらず崩壊した状況にあるということで、たまたま大勝ちしてしまったのです。
 このように、支持は必ずしも実態を伴ったものではないので、何か1つ、やっぱり安倍さんでも駄目だったのかということが流布していくと、政権が急速な下り坂に差し掛かるという可能性はあると思います。

最終更新:2015/8/14(金) 4:33
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