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すでに歴史的な円安水準に達している「実効レート」って何?

2014/9/17(水) 20:00配信

THE PAGE

 為替相場がとうとう1ドル=107円を突破し、およそ6年ぶりの円安水準となりました。しかし、一方で円の実効レートは、すでに過去30年間でもっとも円安の水準になっているともいわれています。円の実効レートとはどのようなものなのでしょうか。

 円の実効レートは、通貨の相対的な実力を測るための総合的な指標です。具体的には、主要な貿易相手国の通貨に対する円相場を指数化し、それぞれの貿易量に応じて加重平均したものとなります。これに物価の変動を加味したものが、実質実効為替レートということになります。

 実効レートを見れば、ドル・円相場だけでなく、各国の通貨に対する日本円の総合的な強さが分かりますし、物価の影響を考慮した上で為替レートを評価することができます。

 現実のドル円相場は、1985年のプラザ合意をきっかけに長期的な円高ドル安が進み、1995年には1ドル=80円を割る状況となりました。その後、一旦は円安に戻しますが、円は再び上昇を開始し、2011年には再度80円を割っています。日銀の量的緩和策やアベノミクスと前後する形で、現在、ようやく円安になりつつある状況ですが、長期的に見れば、日本は一貫して円高が続いてきたわけです。

 しかし、実効レートを見ると少し様子が違います。確かに1995年に円高のピークを迎えたのは事実ですが、その後、実効レートは円安が続いており、現在は1980年代と同じレベルの円安水準になっています。ここ20年、現実の為替レートが円高に振れていたにもかかわらず、実効レートでは円安が進んでいたわけです。

 その理由は日本の物価動向にあります。2000年以降、欧州や米国のGDPは1.5倍から2倍に成長していますが、日本はほぼ横ばいのままでした。経済成長していませんから物価も同じく横ばいが続いていました。つまり、諸外国に比べて日本の物価は著しく下落していたわけです。

 実効レートの計算では、物価が下落すると円安になっていきます。物価の動きを考慮すると、すでに日本は円安だったというわけです。

 このところ、円安が進んでも日本の輸出が回復しないという問題が指摘されています。実効レートではすでに円安になっていたという事実は、こうした状況を考えるヒントになるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/2/21(土) 4:45
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