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スコットランドが独立したら、ポンドや国債にはどのような影響がある?

2014/9/18(木) 5:00配信

THE PAGE

 スコットランド独立を問う住民投票が目前に迫りました。世論調査では独立賛成と反対が完全に拮抗しており、このままの状態で投票となれば、どちらに転ぶのかまったく予断を許さない状況となっています。スコットランドが独立した場合、英国の通貨ポンドや国債にはどのような影響があるのでしょうか。

 よく知られているように、英国はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つからなる連合国となっており、これらを総称してUK(United Kingdom)と呼ばれています。また、英国はオーストラリアやカナダなどからなる英連邦を形成してきましたが、現在のようにドルが基軸通貨になる前は、英連邦の加盟国を中心に英ポンドは広く流通していました(スターリング圏)。

 スコットランド独立派は、現在のUKの枠組みからは独立しても、引き続き、エリザベス女王を国家元首にすると主張していますし、通貨についても、英ポンドを利用することを望んでいます。一方、英政府側は、今のところ、スコットランドが独立した場合には、英ポンドを利用することはできないとの立場です。スコットランドの独立が金融や経済にどの程度の影響を与えるのかは、スコットランドが英ポンドを利用できるのかどうかで大きく変わってくることになります。

 スコットランドには、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドやロイズ・バンキングなど複数の大手金融機関が本拠を構えていますが、これらの金融機関は、独立となった場合にはロンドンに本拠を移すとしています。英ポンドを使うことができなくなり、大手金融機関がスコットランドからイングランドに移転してしまった場合には、スコットランドの金融市場は混乱することになります。一時的かもしれませんが、金利が高騰したり、物価が上昇するかもしれません。英国の金融市場にもかなりの余波があるでしょう。

 英政府の債務引き継ぎについても、問題が山積しています。スコットランドは英国全体の3分の1の面積を占めていますが、人口は約500万人と少なく、全体のわずか8%です。英政府は現在、1兆4600億ポンド(約255兆円)の債務を抱えていますが、人口比で割り当てた場合には、スコットランドは約1200億ポンドの債務を引き継ぐことになります。

 イングランドとスコットランドでは経済に対する信用度が異なりますから、独立した場合には、スコットランド国債の金利は上昇するといわれています。したがって、独立したスコットランド政府の利払い負担は現在よりも多くなる可能性が高く、独立派が主張するように、社会保障などを手厚くすることは難しいかもしれません。

 独立派は英ポンドを利用できない場合は、債務引き継ぎを拒否するとしていますが、これが認められる可能性は低いでしょう。また、日本の公的医療保険に相当するNHS(国民保健サービス)の分割など、社会保障政策にも、現実的課題があります。

 こういった事情から、仮に独立となった場合でも、スコットランドはポンド圏に残留し、現在の形式に限りなく近い形で妥協が行われるのではないかと予想する市場関係者もいます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/25(月) 2:53
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