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阪神はなぜ9月に失速するのか

2014/9/19(金) 5:50配信

THE PAGE

阪神の9月に入ってからの失速ぶりが激しい。今季最後の巨人3連戦で3タテの屈辱を浴びて6連敗。12日の広島戦では17失点して、ついに自力2位の可能性が消えた。16日のヤクルト戦では最下位チームに逆転負けを喫して《神宮名物》とも言える過激ファンから「潔く辞めろ!」と和田監督に罵声が浴びせられ、コーチ陣にも「おまえら何の役にも立ってねえ」と野次を飛ばされた。ヤクルト3連戦は、なんとか勝ち越したもののファンの失望感も頂点を越えてしまったムードだ。

昨年も苦手な死のロードがある8月を15勝11敗で乗り切りながら9月は、6勝16敗2分と失速した。今季は、ここまで、15試合を6勝9敗。9月の失速は、阪神の秋の風物詩のようになってしまっている。だが、昨年と今季の中身を点検すると少々違う。昨年は、16敗のうち6つが1点差負けで、6試合が、中継ぎ、押さえが崩れての逆転負けだった。打率は8月には・238だったものが、9月は・261と上がっていたが、失策が8月の7から12に増えてミスも目立った。

今年の低迷理由の一番は、打線の不振。8月には・278あったチーム打率が・239にまで急降下。防御率は、8月に4・51だったものが、能見の8回無失点などで、4・33にまで持ち直したが、先発の序盤の失点が目立った。失策も、すでに9個。チームのまとまりや一体感というものも欠けて見える。

11日の巨人戦では7回、梅野からの打順で、次打者が投手の高宮の場面で、ネクストバッターズサークルには代打今成の姿があった。だが、梅野が出塁すると、代打は昇格したばかりの西岡に変わったが、今成は、その西岡の姿を見て、驚いていた。つまり、ベンチが「走者が出たら西岡、でなければおまえだ!」と伝えて今成を送り出していなかったのだ。準備という点での監督、コーチ陣の怠慢。こういうことがおきると選手と首脳陣の間の信頼関係は崩れる。

また優勝の可能性を残している戦いの最中にゲームの休養日のごとに戦力補強や来季の人事情報がスポーツ紙の一面を飾る。それは、異常事態とも言える現象で、ある球団関係者は、「星野や岡田が監督時代には考えられないこと。巨人と同じく優勝争いをしないと許してもらえないチームになったことかもしれないけれど、選手もグラウンドの戦いに集中できない」とぼやいていた。巨人との3連敗後に次期監督候補の名前までがスポーツ紙に掲載されるようになってくると、阪神の球団広報部は、それを報じた一部メディアに和田監督の取材を禁止処分にするなどの厳戒態勢を敷いた。沈静化にフロントも必死になっているが、雑音が増えれば、選手のポジティブな思考も薄れる。勝利のチームマネジメントが効きにくくなる。

和田監督は、何も手をこまねいて黙っているわけではなく、やれる限りの打開策は打ち、試合後のコメントも至って真摯だ。だが、悲しいかな、これらの現象はフロントの脇の甘さと同時に和田監督のチーム内外における求心力の低下を現している。

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最終更新:2016/2/18(木) 4:24
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