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アベノミクス効果で芸者さんが大忙し、って本当?

2014/9/22(月) 16:00配信

THE PAGE

 アベノミクス効果で企業の接待費が増加し、芸者さんが大忙しという記事がちょっとした話題となっています。企業の接待需要は増加しているのでしょうか。

 経済紙の記事によると、今年に入って高級店の客足は増加傾向にあり、東京都内の料亭は活況を呈しているそうです。記事では、アベノミクス効果に加え、4月の税制改正で大企業でも交際費の50%を損金算入できるようになったことが大きく影響していると分析しています。

 昨年度までの税制では、資本金1億円以下の中小企業に限り、年間800万円まで交際費を損金算入することが認められる一方で、大企業は全額が課税対象となっており、損金に算入することはできませんでした。しかし、税制改正によって、今年の4月からは、大企業でも50%までは非課税とすることが認められるようになりました。税金を払うくらいなら支出した方がよいという判断をする企業が出てくる可能性があるわけです。

 日本フードサービス協会の調べでは、ディナーレストランの売り上げは4月以降、前年同期比で5%程度の増加が続いており、直近の7月は8.8%増となっています。ただこれらは多くの店が調査対象となっていますから、接待需要の増加によるものなのかは判別できません。

 企業の接待需要が大きいと思われる上場企業の直近の業績を見ると、高級和食の「うかい」は前年同期比ほぼ横ばい、中華の東天紅は前年同期比マイナス7%、ワイズテーブルコーポレーションの高級レストラン部門は同じくマイナス7.5%となっています。個別の事業者ごとの事情もありますが、目立って増収という状況にはなっていないようです。

 現在、交際費を支出している企業は全国に約230万社がありますが、このうち大企業はわずか2万社と100分の1以下しかありません(金額の割合でも20%程度です)。中小企業の多くはまだアベノミクスの恩恵を十分に受けていませんから、積極的に交際費を支出する状況にはなっていないと考えられます。また大企業も、交際費の損金算入によって浮いた額をすべて交際費に回すわけではありません。交際費を増やしてしまうと、会計上の利益が減ってしまうからです。以上のことから、全体としては交際費の支出はあまり伸びていない状況といえそうです。

 ただ、一部の超高級店は、その絶対数が減っていることもあり、大企業の交際費が増えると、客足が顕著に伸びるというところもあるでしょう。記事が指摘するように、芸者さんが大忙しなのだとすると、こうした一部の超高級店の話なのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/3/23(月) 4:04
THE PAGE