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政治献金5年ぶり復活に賛否 ―― 再開の狙いは?論点は何?

2014/9/25(木) 7:00配信

THE PAGE

 経団連がこれまでの方針を変え、政治献金を再開する方針を明らかにしました。政治献金は健全な政治活動をする上では必須との声がある一方、特定団体の意向が政治に反映されすぎるのは問題だという意見もあります。

 かつて経団連は、長く政権の座にあった自民党に対して多額の政治献金を行ってきました。選挙が近くなると、財界が与党を全面支援するというのは当たり前のことでした。しかし、政治とカネの問題に対する批判が強くなってきたこともあり、奥田碩元会長時代には、政党の政策内容を検証し、その評価に応じて献金を実施する方式に変更となりました。さらに御手洗冨士夫氏が会長に就任すると、民主党への政権交代もあり、政治献金は廃止となったのです。

 今回、榊原定征会長が実質的な献金再開を決断したのは、経団連と政権の冷え切った関係を修復したいという考えからです。米倉弘昌前会長は、安倍政権の経済政策を厳しく批判して政権と対立してしまいました。このため経団連は政策に対して影響力を行使することが難しくなっていたのです。榊原氏は安倍首相と個人的にも親しいといわれており、今回の献金再開を機に、政権との関係を修復しようと考えています。

 政治家はタテマエはともかくとして、常に多くの政治資金を必要としています。献金再開にあたり、榊原氏と会談した自民党の谷垣幹事長は「自発的な寄付の呼び掛けは大変ありがたい」とストレートに感謝の意を表明しています。

 経団連の方針や自民党のこうした反応に対しては、一部から批判の声も上がっているようです。しかし政党と献金の問題はそう簡単に答えが出るものではありません。

 確かに、特定団体からの献金が多いと、政党はその団体の意向を受けた政治を行うことになります。これをアンフェアと感じる人は多いでしょう。しかし、一方で、政党の中には、特定団体が支援する政党というものも存在します。特定団体から票や資金を集める政党が良くない政党だと断言することはできないでしょう。政治家個人も同じで、特定の業界団体からだけ支援を受けて当選する政治家は多数存在します。そうした政治家を支援する人たちは、おそらく経済的利益を求めていると考えられますが、個人の政治信条にまで立ち入ることはできません。

 また現実に、政党の活動資金のほとんどは、政党助成金という税金からまかなわれています。政党は本来、政治的な志を持つ人が自発的に結成するものですから、これを税金で助成することについては、賛否両論があります。献金を禁止すればよいという問題でもないわけです。

 現実問題として、政治活動には一定の資金が必要となります。政党助成金と献金のバランスをどう取るべきなのか、今回の献金再開をきっかけに幅広い議論が求められます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/7/25(土) 2:58
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