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アリババの時価総額25兆円超えってどれくらいすごいの?

2014/9/27(土) 8:00配信

THE PAGE

 中国の電子商取引最大手アリババグループがとうとう米ニューヨーク証券取引所に上場しました。時価総額は何と25兆円となりましたが、これはどのくらいの規模なのでしょうか。

 9月19日の上場初日は、公募価格である68ドルを大きく上回る93.89ドルで取引を終えました。この日の時価総額は約2300億ドルとなっており、日本円に換算すると25兆円を超えることになります。この数字はネット企業としてはかなり大きな数字になります。約43兆円の時価総額を誇る検索エンジン最大手グーグルには及びませんが、フェイスブック(約22兆円)やアマゾン(約16兆円)を上回っています。ちなみに楽天は約1兆7000億円、トヨタ自動車は約22兆円となっています。少なくとも時価総額で世界トップクラスの会社になったことは間違いないでしょう。

 アリババが巨額の時価総額を実現したことで、同社の筆頭株主であるソフトバンクにも多額の含み益が転がり込んでくることになりました。ソフトバンクは同社株の約3割を保有していますから、ソフトバンクの含み益は8兆円を超えることになります。同社は、米国第3位の携帯電話会社であるスプリントを買収するなど、世界的規模で積極的な企業買収を行っています。このため同社は9兆円を超す有利子負債を抱えているのですが、今回のアリババの上場によって、帳簿上、借金をほとんど帳消しにしてしまいました。ソフトバンクは通信会社としては異例ですが、実質的に無借金経営に近い状況となります。

 ソフトバンクは14年前、当時、まだ無名だったジャック・マー氏率いるアリババに20億円投資しました。マー氏は数度の大学入試の失敗後、教育大学を卒業して英語の教師をしていましたが、インターネットの情報サイトで起業し、その後、現在のアリババをスタートさせました。

 今回の上場でソフトバンクの投資金額は4000倍になった計算になります。ソフトバンクの孫社長は、経済紙の取材に対して「マー氏と会って5分で投資を決めた」と話しています。孫社長は同様に、ガレージでピザを食い散らかしながらWebサイトを作っていた米ヤフー創業者のジェリー・ヤン氏の将来性を一発で見抜き、やはりその場で2億円の出資を決めています。ヤフー上場による巨額の含み益は、その後ソフトバンクが世界的な通信会社になることに大きく貢献しました。

 孫社長の投資に明確な見通しや計画はなかったと考えられます。というよりも、こうしたベンチャー投資は、細かい計画を立てたからといってうまくいくような甘い世界ではありません。潜在性の高さを直感で見抜くことができなければ、成功はおぼつかないのです。

 孫社長には動物的なカンがあるといってしまえばそれまでなのですが、多少の秘訣はありそうです。孫社長は実は、現場をよく歩く人として知られています。ソフトバンクが現在のような通信会社ではなく、パソコン・ソフトやハードの流通を手がけていた時代、孫社長は自ら米国の展示会場に出向き、面白い商品を見つけては、その場で価格交渉までしていました。

 ソフトバンクは当時、1個数千円~数万円というレベルの商品を何万点と扱う会社だったことを考えると、孫社長の現場好きは相当なものといってよいでしょう。こうした地道な情報収集も、有望なベンチャーを見抜く原動力の一つになっているのかもしれません。

(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2015/10/9(金) 3:45
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