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臨時国会の主要議題の一つ「地方創生」って何を目指すの?

2014/9/29(月) 7:00配信

THE PAGE

 政府が地方創生の具体化に向けて動き始めました。安倍首相を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を首相官邸に設置し、具体的な施策について検討を行います。地方創生は秋の臨時国会における主要議題のひとつですが、政府の本格的な対応に期待する声がある一方、いつものように、単なるバラマキに終始するのではないかとの懸念も出ています。

 19日に開かれた会合では、12人の有識者がそれぞれの立場から地方創生の方向性についてプレゼンテーションを行っています。

 自治体の「消滅可能性」について言及している増田寛也元総務相は、中央官庁における縦割り行政の弊害について指摘、地方移住支援など複数の分野にまたがる方策についてはワンストップの支援体制が必要と主張しました。経営共創基盤CEOで元産業再生機構COOの冨山和彦氏は、労働生産性について着目しています。地方には仕事がないのではなく、生産性が低いため魅力的な仕事になっていないだけであり、ここには大きな改善の余地があるとしています。

 本社機能の一部を北陸に移した実績のある建設機器大手コマツの坂根正弘相談役は、自治体の行政効率を「見える化」し、自治体間の健全な競争を促すことが必要であると指摘しました。

 地方創生とひとくちにいっても、対象となる分野は非常に多岐にわたっているのですが、少子化対策、東京一極集中の是正、地方の雇用確保といったあたりが主な論点となりそうです。ただ、どのような方向性で基本的な対策を打ち出すのかについては、必ずしも明確になっているわけではありません。

 創生本部では、首都圏在住者の4割が地方への移住を希望しているという世論調査の結果などをもとにして、地方から東京へという人の流れを逆転できる可能性があることを前提に議論を進めようとしています。しかし、この世論調査には様々な解釈があり、都市部への人口集中という大きな人の流れについては、あえてそれを止めない方が全体としては効果が高いと指摘する声もあります。

 また地方の雇用を創出するにしても、いわゆる財政支援を中心にしていくのか、競争原理を導入し、産業構造を大きく変えていくのかでそのやり方は大きく変わってきます。日本全体でも、財政出動で需要を創造すべきなのか、産業構造の変革に重点を置くべきなのかについては議論が分かれています。地方創生の仕事は、いってみれば、日本全体の縮図ともいえる状況なわけです。

 有識者会合では10月をメドに論点をまとめ、創生本部ではそれをもとに年内に長期ビジョンを策定する予定となっています。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/7(日) 4:25
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