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高くてもなぜ売れる? ファンを獲得する製品の共通項を読み解く

2014/9/30(火) 18:30配信

THE PAGE

■人気を集める高額商品

このところ、コモディティー化が進み、安価な商品が多数を占める市場で、高額ながらも人気を集める商品が見られます。代表的な商品が、家庭用掃除機におけるiRobotのロボット掃除機「ルンバ」やDysonのサイクロン掃除機です。
例えば、価格.comが独自に集計している掃除機人気売れ筋ランキングでは、上位10商品中、Dyson製が4機種、iRobot製が2機種を占めています。

高額ながら支持を集めている商品の秘訣を、iRobotのロボット掃除機「ルンバ」とDysonのサイクロン掃除機(以下「サイクロン掃除機」)を例に見てみましょう。

■分かりやすいウリ

まず、商品の特徴、すなわちウリが、消費者にとって分かりやすいという点があげられます。「自動で部屋を掃除する」ルンバや、「変わらない吸引力」や、「紙パック不要」のサイクロン掃除機のウリは、多機能が故にかえってウリが分かりにくくなりがちな商品が少なくない中で、シンプルな分かりやすさが際立っています。

■ウリを可視化した優れたデザイン

ウリが伝わりやすいデザインも、支持を集めている商品の特徴のひとつです。この点、自動で動くルンバは一目瞭然でしょう。また、サイクロン掃除機は、ごみをためる部分(クリアビン)を透明にすることで、グルグルと回りながらごみが吸い込まれていく様子が見られるデザインになっています。このデザインのおかげで、吸引力の素晴らしさや、紙パックを使用していないという商品自体のウリを、何よりも雄弁に物語っています。

■期待感やわくわく感の創出

機能面のウリがある商品は数多くある中で、両社の商品が支持を得ることができた最大の要因は、そのウリが消費者に「単なる掃除機」を超えた期待感やわくわく感を抱かせたという点にあります。例えばルンバ。ルンバを見たとき、「面倒な掃除から解放される!」という期待感、「“けなげに”部屋を掃除している姿がかわいい!」というわくわく感を覚えた人は多いはずです。実際、購入者の中には、ルンバに名前を付けたりして、ペットのようにかわいがっている人も多く、消費者の心の中にコモディティー品にはない思い入れが育まれていることが分かります。
一方、サイクロン掃除機も、「今までと同じように掃除機をかけるだけで、より部屋がきれいになる」「面倒な紙パックの交換もないし、紙パック代も節約できる」といった、期待感を抱かせてくれます。
「楽しそう」「面白そう」「今までのライフスタイルが変わるかもしれない」といった、期待感やわくわく感が消費者の心をつかんだといえるでしょう。

■「コト」を売る

ネット上での口コミの効果など、紹介した以外にも両社の商品が支持を得た要因は数多くあります。しかし、その秘訣は意外とシンプルです。「モノではなくコトを売る」といわれますが、両社の商品はまさに、期待感やわくわく感を抱かせる「コト」を、分かりやすく提示することで消費者の支持を得ているといえるでしょう。
もちろん、秘訣はシンプルであっても、それを実現できる商品を生み出すことは容易ではありません。しかし、同様の商品がひしめくようになった現在でも、なお多くの消費者から支持を集める両社の商品は、高くても売れる商品づくりを考える際の参考とすることができます。

(株式会社日本情報マート)

最終更新:2015/9/21(月) 4:32
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