ここから本文です

日清食品が値上げ、円安はタイミングのひとつか ── 物価は今後どうなる?

2014/10/1(水) 7:00配信

THE PAGE

 日清食品は9月29日、即席麺やカップライスなどの価格を来年1月1日から5~8%値上げすると発表しました。チキンラーメンやカップヌードルなど250品目がその対象となります。円安による原材料の値上がりがその理由ですが、今後、物価はどうなるのでしょうか。

 同社によると「チキンラーメン」は100円(メーカー希望小売価格)が105円に、カップヌードルは170円が180円に、日清Spa王は170円が180円となります。日清ラ王カップ麺シリーズなどは価格を据え置きます。

 今回、同社が値上げを決断するきっかけとなったのは、このところ急激に進んだ円安なのですが、実際にはかなり以前から原材料価格の高騰が進んでいました。今回の円安はタイミングのひとつにすぎないと考えた方がよいでしょう。今年の夏には、ハムやソーセージなどが相次いで10%程度の値上げとなっていましたし、バターも値上がりが続いています。また、菓子類も値上げ、もしくは内容量の減少による実質的値上げが相次ぎました。100円ショップに行っても内容量の大幅な減少や品質の低下など、物価高を肌で感じている人は多いと思います。

 世界的に見ると、原材料の価格は2011年頃に高騰したものの、その後は比較的安定的に推移しており、ここ1年は、横ばいが続いている状況です。2011年に価格が高騰した主な原因は新興国による旺盛な需要だったのですが、その後、新興国の経済成長が鈍化したことで価格も落ち着いてきたわけです。しかし、日本の場合には、この間にアベノミクスによる円安が進んでいます。エネルギーを中心に価格の上昇が続いており、これを吸収できなくなった国内の事業者が製品に価格上昇分を徐々に転嫁しはじめているわけです。

 しかし、消費者の懐はいまだに寂しいままです。消費増税などによって、労働者の実質所得はマイナスとなっており、こうした事情を反映してか、8月の実質消費支出は前年同月比で4.7%のマイナスでした。景気が拡大し給料が増える状況での値上げではありませんから、値上げによってさらに消費が冷え込んでしまう、負のスパイラルに陥っている可能性もあります。

 これらを総合すると、輸入物価の値上げを消費の冷え込みが相殺する形となっており、最終的な物価は伸び悩んでいるというのが現状です。8月の消費者物価指数は、コア指数が前年同月比3.1%の上昇でしたが、消費税の影響を除くと上昇率は1.1%になってしまいます。また5月以降は上昇幅の縮小が続いています。値上がりは実感するものの、景気は冴えないという状況がしばらく続きそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/1(月) 4:56
THE PAGE