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【動画】がん撲滅、亡き仲間への思い胸に合唱団が初演奏会実施へ。収益一部をがんセンターに寄付/大阪

2014/10/3(金) 17:37配信

THE PAGE

 がん撲滅、そして亡くなった仲間への思いよ届け―。大阪のラジオ番組の企画で集まったリスナーを中心とした合唱団が「がん撲滅」の思いを胸に立ち上がった。イベントで「第九」を歌って間もなく団員仲間2人をがんで失ったが、指導者の音楽家が「集まって悲しむだけじゃなく『第九』を歌おう」と呼びかけ自主的に合唱団を立ち上げ練習を積み重ねた結果、11日に初めて大阪市内のホールでモーツァルトのレクイエムを歌う「チャリティ演奏会」を開くことになった。収益の一部は国立がん研究センターへ寄付するという。団員らは本番に向け、日々練習に励んでいる。

【動画】激しい動きで指揮する中村貴志さんと歌声を披露する合唱団の練習風景

多くの団員をまとめてくれた女優、牧野エミさんら仲間への思い

 この合唱団の基は、大阪のABC朝日放送ラジオの番組「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です」でクラシック音楽のイベントの際に合唱団メンバーをリスナーから募集。多数の応募の中から選ばれたリスナーと番組出演者混合の65人が練習を積み重ね、本格的なホールで「第九」を歌ったことだった。

 「メンバー65人は経験者、未経験者もおり、まとまりが大変だった」と話すのはメンバーの杉本幸枝さん(43)。だが、それを笑いや独特の明るさでまとめてくれたのが、当時、同番組のアシスタントを務め合唱団にも参加していた、女優の牧野エミさんだったという。

 「牧野さんはいつも笑顔で合唱団を盛り上げてくれました。当時、合唱団には経験者 未経験者の『わだかまり』があったんですが、牧野さんが笑いを交えながら太鼓持ちをしてくれて」と杉本さんは続ける。

 2012年9月15日に行われた本番では「ザ・シンフォニーホール」(大阪市北区)でメンバーが一致団結し「第九」を歌いあげた。その時の充実感は計り知れないものだったという。だが、その約2カ月後の11月17日、牧野さんは肝臓がんのために53歳で亡くなった。突然の訃報だった。

仲間2人をがんで失う「第九を歌おう」と新たな合唱団立ち上げ

 牧野さんは乳がんを患い、同番組内で、がん細胞が肝臓など数個所に転移したことを告白。また、ピンクリボン運動などにも積極的に参加し、早期発見・早期検診などを広く呼びかけていた。そんな牧野さんの早すぎる死に、団員らは悲しみにくれた。

 2013年春には、メンバーの兵庫県在住40代女性も、がんでこの世を去った。杉本さんは「後からご親族に聞いた話しですが、彼女は同じように、がんを患う牧野さんが出るから参加を決め、この合唱団での姿を家族にみせる『最後の晴れ舞台』と決めていたらしいんです。私たちには一切病気のことを告げませんでした。気を遣っておられたと思います」と当時を振り返る。

 仲間2人をがんで失い「もう辛くて『第九』を歌えない」。メンバーの誰もがそう思った時、合唱団を指導していた音楽家の中村貴志さん(39)が「いつまでも集まって悲しむのではなく『第九』を歌おう」と呼びかけ、1年後にホールで歌を披露するという目標を掲げ、番組ではなく自主的な合唱団「ルークス スペイ」が立ち上がった。

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最終更新:2014/10/4(土) 10:29
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