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米スタバが日本事業を完全子会社化する狙いは?

2014/10/9(木) 10:00配信

THE PAGE

 米スターバックス本社がTOB(株式公開買い付け)によって、スターバックス コーヒー ジャパン(SBJ)を完全子会社化することになりました。SBJは上場廃止になる見通しですが、米本社の狙いはどこにあるのでしょうか。

 米スターバックス本社は、9月23日、TOBによってSBJを完全子会社化すると発表しました。まずはSBJの大株主であるサザビーリーグを対象に965円で株式を買い取り、続いて一般株主向けには1465円で株式を買い取ります。SBJはもともと、アフタヌーンティーなどを展開するサザビーリーグとスターバックス本社の合弁事業としてスタートしました。このため、サザビーリーグはスターバックスの約4割の株式を保有する大株主となっています。一般株主よりははるかに安い価格での買い取りですが、サザビーの取得価格は極めて安価である可能性が高いことから、十分な利益を確保できていると考えられます。

 スターバックス本社は今回、TOBを実施した理由について明確に説明していません。また、SBJの関根純CEOは「サザビーとスターバックス本社が決定したこと」としてコメントを避けています。企業の経営者は株主から雇われたプロですから、会社の所有に関してコメントする立場にはありません。関根氏のスタンスは経営者として当然といえるでしょう。したがって現時点ではTOBを実施する理由は不明なのですが、一般論としては十分に推測が可能です。

 スターバックス本社は1000億円を投じて、SBJを買い取ることになります。SBJを買い取ることができれば、スターバックス本社は100%の支配権を行使することができますし、SBJが稼ぎ出す利益をすべて本社の利益にすることができます。つまりスターバックスの日本におけるビジネスは今後も伸びると考えており、1000億円を投じてもおつりがくると判断した可能性が高いわけです。企業は資金的に余裕があるならば、利益が出ている外国の子会社をなるべく直接支配したいと考えるのはごく自然なことです。

 一方、SBJと同様、外国の企業が日本進出するにあたり、日本のパートナーと組んだり、日本市場で独自に子会社を上場させるケースは珍しくありません。事業がうまくいくかどうか分からない時などは、現地に精通したパートナーと組んだ方が得策だからです。

 米ヒューレット・パッカード(HP)と横河電機の合弁会社だった横河ヒューレット・パッカード、米オラクルの子会社で、日本で上場した日本オラクル、米ヤフーとソフトバンクとの合弁として始まったヤフージャパン、米ゼロックスと富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)の合弁会社であった富士ゼロックスなどがこれに該当します。

 ただ、当初は本国側の体力不足などから合弁を希望しても、日本市場が順調に成長してくると、完全に支配下に置くことを本国が望むケースが出てきます。横河ヒューレット・パッカードは、結局、米HPとの合弁が解消となり、現在は米HPの100%子会社である日本HPとなっています。一方、富士ゼロックスは逆に日本側の希望でゼロックスから株を買い取り、現在では富士フィムルホールディングスがグループ企業として同社を経営しています。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/26(火) 4:40
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