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千葉・富津市が財政破綻の恐れ 破綻したらどうなるの? /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語

2014/10/10(金) 15:00配信

THE PAGE

 千葉県富津市が2018年度に破綻状態である「財政再生団体」に転落する見込みだと報じられています。自治体の破綻といえば、北海道夕張市が有名ですが、他にもどれくらいの自治体破綻の“予備軍”があるのでしょうか。また、もしわが町が破綻したら市民サービスにはどんな影響が出るのでしょうか。

【図解】財政破綻から7年、夕張市のいま

そもそも自治体の破綻とは?

 破綻状態の自治体、つまり「財政再生団体」とは、都道府県や市町村といった地方公共団体の収入(歳入)が支出(歳出)を大きく下回ったり、自治体が行っている事業が行き詰まるなどして「もはや運営が困難」という状態に陥った状態。しばしば会社における倒産をイメージします。その一歩手前が「財政健全化団体」で“倒産寸前”の状況です。

 1955年に「地方財政再建促進特別措置法」が成立しました。1945年の敗戦以来の復興期を経て50年の朝鮮戦争による「特需」に沸き立った反動で、自治体の経営が著しく悪化したのを受けての措置です。300団体近くが該当し「財政再建団体」となりました。ただこの時はほぼ同時期に始まった経済の高度成長が日本全体を元気にしてくれたので全部立ち直りました。

 次のピンチは1990年以降のバブル景気(86年~91年)崩壊の過程で発生します。不景気脱出のため政府は自治体単独の公共事業を借金してでも対応せよと発破をかけました。心配するな、後は地方交付税で面倒をみてやると。地方交付税とは、国が自治体によって極端なサービスの差が出ないよう地方に配分する税です。ここで大がかりな事業を行って失敗したケースが多々あります。

 ところが不況は国の財布も直撃し、のんきに地方の借金を肩代わりしている場合でなくなりました。そこで21世紀に入った頃から自治体合併を促してスリム化し「そうすれば交付税が出るよ」というアメで「平成の大合併」を推し進めるとともに、小泉純一郎政権下で交付税削減を含む「三位一体の改革」というムチが進みます。野放図ともいえるバラマキと半面にある締め付けによって財政が悪化する自治体が続出。ついに07年に北海道夕張市が財政再建団体となりました。

 夕張市の巨額の負債に驚いた国が調べてみると、予備軍の市町村が20以上あるとわかり、もはや地方財政再建促進特別措置法では対応不能と判断し、新法制定に急ぎます。それが「自治体財政健全化法」で、自治体事業の会計や地方公共団体と企業が一緒に作った第三セクターの赤字など、特別措置法では想定していなかったものも含む新しい指標を加えました。

 基準となる指標は、(1)実質赤字比率、(2)連結実質赤字比率、(3)実質公債比率、(4)将来負担比率で、「財政再生団体」は(1)~(3)のうち、「財政健全化団体」は(1)~(4)のうち、それぞれいずれか一つでも基準値を超えたら指定されてしまいます。例えば(2)の連結実質赤字比率だと、財政再生団体は30%以上(市区町村の場合)、財政健全化団体は16.25~20%以上(同)になると「アウト」です。

 ちなみに夕張市は新法での財政再生団体第一号。また2団体目は出ていません。

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最終更新:2016/2/18(木) 2:44
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