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なぜ香川はアギーレジャパンで機能しなかったのか

2014/10/11(土) 2:18配信

THE PAGE

 ゴール裏を埋めたサポーターたちから、手拍子が自然発生的に沸き起こる。日本代表が相手のオウンゴールであげた1点をリードして迎えた後半30分すぎの光景。しかしながら、決して新生日本代表の初勝利へのカウントダウンが始まったわけではない。

 ゴールが見たい。流れるようなコンビネーションが見たい。サムライブルーの選手たちが躍動する姿が見たい。アギーレジャパンに対して抱いてきた不完全燃焼の思いが、新潟・デンカビッグスワンスタジアムを埋めた約4万人を駆り立てる。

 FIFAランキングで100位のジャマイカ代表を新潟に迎えた10日の国際親善試合。同48位の日本代表は、後半は守勢に回りながらも何とか1対0で逃げ切った。ハビエル・アギーレ監督が就任して3試合目にしての初白星だったが、タイムアップを告げる笛が鳴り響いた瞬間、キャプテンのFW本田圭佑(ACミラン)は笑顔を浮かべることなくピッチの上に立ち尽くした。

 日本代表のシュート数は実に「20」を数えた。スリートップで先発した本田、岡崎慎司(マインツ)、そして武藤嘉紀(FC東京)が4本ずつを放ったがゴールは遠い。消化不良に陥った原因はどこにあるのか。答えはアギーレ体制下において初めて招集され、先発メンバーに名前を連ねたMF香川真司(ドルトムント)のプレーに凝縮されていたと言っていい。

 ザックジャパンで「4‐2‐3‐1」の「3」の左サイドを務めてきた香川は、基本システムが「4‐3‐3」に変わったアギーレジャパンでは逆三角形型で形成される中盤に配置された。アンカーの前方に並ぶインサイドハーフの左という新境地で、しかし、香川は特に前半において試合の流れから完全に消えた。目立ったシーンは一度のみ。15分に放った左足からのミドルシュートが左ポストをかすめたときだった。

 本田が右ウイングから左ウイングに回った後半14分以降は、左サイドバックの長友佑都(インテル)を含めた、ザックジャパン時代から長く培ってきたコンビネーションが復活する。香川のボールタッチ数が次第に増え、長友がカバーしてくれる安心感も手伝ってポジションも前目になった。同20分にはほぼフリーの状態で、右サイドからDF酒井高徳(シュツットガルト)が放ったグラウンダーのクロスに右足をヒットさせたが、シュートは無情にもポストの右を通過していった。

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最終更新:2015/10/10(土) 4:32
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