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「中小企業需要創生法案」課題は何? 地域中小企業の経営は変わるのか

2014/10/21(火) 9:00配信

THE PAGE

 政府は10月、中小企業の支援と地域の需要創生を目指す「中小企業需要創生法案」を閣議決定しました。地域の中小企業を元気にすることで、地方創生を後押ししようというものなのですが、果たして効果はあるのでしょうか。

 この法案は「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)」「中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律」「独立行政法人中小企業基盤整備機構法」という、従来から存在している3つの法律の改正案として提出されるものです。

 このうち、官公需法の改正は、創業10年未満の新規中小企業が官公庁から受注できるよう配慮するための法律となります。従来の官公需法では、中小企業が官公庁から受注できるよう配慮することが定められていますが、これに新規中小企業という項目を加えて、設立間もない企業の参入チャンスを増やします。各省は、新規中小企業との契約に関する方針を策定したり、該当する企業との契約実績を公表することが義務付けられます。

 地域産業資源に関する法律は、地域の産業資源を活用した中小企業の活動を国が支援するための法律ですが、従来は、個別の企業活動を支援する状況にとどまっていました。今回の改正では、地域全体での取り組みと販路開拓ができるよう、市区町村が積極的に関与することが盛り込まれています。

 具体的には市区町村が「ふるさと名物応援宣言」などを行い、地域全体での取り組みを促すとともに、小売事業者やネット事業者と連携し、販路の開拓や商品開発などを積極的に実施できる環境を整備します。また中小企業基盤整備機構法の改正も同時に行い、中小企業基盤整備機構が市区町村に対して協力できる体制を整えます。

 安倍内閣では地方創生を重要なテーマとして掲げています。潜在的に地方での定住を望む人は少なくありませんが、最大の問題が雇用です。新しくできた地域の中小企業を優遇することで、官公庁からの受注を増やし、地域における雇用の確保や活性化を狙います。

 ただ、官公庁の受注は競争入札が基本となっており、特定企業だけを優遇することが原則としてできません。また、入札参加資格に関する規定は、社歴や売上高など企業規模や実績が問われる内容となっており、この部分は大きく変わっていません。中小企業向けの配慮は、最終的には少額な随意契約など、一部の受注に限定される可能性が高く、地域中小企業の経営を大きく変えることにはならないでしょう。

 地域ぐるみの販促活動についても同様です。一定の効果は期待できますが、最終的にはビジネスです。個々の製品やサービスの優秀さがなければ、長い目で見て、顧客を確保することはできないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/8(木) 4:31
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