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消費税率10%引き上げ 先送りするとどんな影響があるの?

2014/10/24(金) 7:00配信

THE PAGE

 女性閣僚が連続して辞任したことで、安倍内閣の政権運営に暗雲が漂っています。一部からは消費税の10%への増税は先送りすべきだとの声も上がっているようです。

 消費税は2015年10月1日から10%に引き上げられる予定となっています。これは法律で定められたものですが、この法律には景気条項というものが付随しており「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」となっています。つまり経済状態が悪くなった場合には、増税を停止することが可能というわけです。しかし、これはあくまで法律の付則であり、普通に考えれば、法律に明記されている通り、来年10月1日に10%に引き上げられることになります。

 安倍政権では世論を考慮し、増税には慎重であるというスタンスを強調していましたが、現実にはスケジュール通りに10%への増税を実施するよう準備を進めてきたといわれています。

 しかし、安倍改造内閣の目玉であった女性閣僚が相次いで辞任するという事態になり、内閣改造を長期政権の布石とする当初の戦略は見直しが迫られています。状況を一気に打開するためには、消費税の増税を先送りするという決断が選択肢に入ってきたといえるでしょう。

 ただ現実には、消費税の増税を先送り、あるいは凍結するという選択肢はかなりの困難を伴います。もっとも留意すべきなのは、やはり市場に対する影響です。

 現在、日本政府は、2020年度に基礎的財政収支を黒字化するという国際公約を掲げています。基礎的財政収支の予測は、消費税が10%に増税されることを前提にしたものですが、それでも、現時点において目標達成はかなり難しいと考えられています。もし10%への増税を先送り、あるいは凍結した場合、収支の黒字化はほぼ100%達成が不可能となります。

 日本の国債は日銀が量的緩和策で積極的に買い入れているため、高値で安定した状態にあります(金利は低く推移しています)。しかし量的緩和策を永久に続けることはできません。日本の国債が暴落することは考えにくいですが、黒字化が達成不可能となれば、ある程度の水準まで国債が売られる可能性は高いでしょう。日本の金利が国債の下落に伴って数%まで上昇するような事態になれば、税収のほとんどが国債の利払いに消える計算となり、日本の財政は継続不可能となってしまいます。

 世の中では日本の国債が暴落するかどうかという極端な議論が行われていますが、本質はそこではありません。国債価格の下落による金利負担で、日本の財政が立ち行かなくなり、医療や年金が大幅に減額されてしまうリスクを心配する必要があるのです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/18(月) 4:54
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