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ジャパンディスプレイが2度も業績下方修正、3500億円消えた

2014/10/30(木) 19:00配信

THE PAGE

 日の丸液晶メーカーとして官民をあげて支援を行ってきたジャパンディスプレイが業績を大幅に下方修正し、100億円の最終赤字に転じる見通しとなりました。同社は、オールジャパンを掲げ、2014年3月に鳴り物入りでIPO(新規株式公開)しましたが、初値は公募価格を15%下回る769円にとどまり、4月にはいきなり業績を下方修正するというドタバタぶりでした。今回の下方修正は上場後2度目となります。日本の技術の粋を集めたと喧伝された国策企業に何が起こっているのでしょうか?

 同社は、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して2012年4月に発足しました。政府系ファンドの産業革新機構がほとんどの株を持っていた事実上の国営企業です。液晶パネルの事業は日本、韓国、台湾のメーカーがシェア争いをしていますが、日本メーカーは各社がそれぞれに小規模な事業を保有している状況で、韓国や台湾に後れを取っていました。このため政府系ファンドの産業革新機構が2000億円を出資し、各社の事業を統合して再スタートさせたのがこの会社です。

 同社がスタートして以降、スマホ市場が急拡大したことから、主に米アップル向けにパネルを供給する同社の売上げは拡大しました。しかし、液晶は基本的に価格勝負の製品であり、高い付加価値はありません。売上げの4割をアップル1社に依存する同社のビジネスモデルに対しては当初から疑問の声が上がっていました。

 株式市場では会社側の業績予想に疑問を抱く投資家が多く、初値は公募価格を何と15%も下回ってしまいました。さらに上場直後の2014年4月には最初の業績下方修正を発表し、今回の下方修正によって、上場1年目から赤字転落するという結果になりました。

 日本の新興市場では、創業間もないベンチャー企業が上場直後に業績が悪化して株価が暴落するというケースがしばしば見られますが、これほどの規模の企業において、ここまで杜撰な業績見通しを出し続けるケースは、前代未聞といってよいでしょう。

 下方修正となったのは、懸念された通りアップル関連の問題でした。iPhone 6の出荷スケジュールがずれ込み、パネル生産が遅れたことが直接の原因のようです。

 今回の下方修正で株価は、一時ストップ安となり、公募価格の3分の1近い水準まで下落しました。国策企業ということで株を買った投資家も多く、こうした人たちはわずか半年で大きな含み損を抱えてしまいました。全体としては3500億円近い富が失われてしまった計算になります。
 
(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/4/20(月) 4:30
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