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全国自治体ユニーク部署いろいろ 元祖「すぐやる課」は設立45周年

2014/11/1(土) 14:00配信

THE PAGE

元祖「すぐやる課」は設立45周年

 高知出身の人気作家、有川浩が同県庁に実在する「おもてなし課」を舞台にした小説『県庁おもてなし課』を発表したのは2011年。単行本は20万部を超え、昨年は同名の映画も公開された。実際の「おもてなし課」は観光振興部に属し、高知を訪れた人々が快適にすごせるよう、県内の観光資源をソフト・ハード両面で整備することがミッション。その思いを「おもてなし」の言葉に込めた、お役所らしからぬ名称はすでに全国区だ。

 「お役所らしからぬ」と書いたが、実は全国の自治体にはユニークな名前の部署が数々ある。そのさきがけが、今年10月6日に45周年を迎えた千葉県松戸市の「すぐやる課」。ドラッグストア「マツモトキヨシ」の創業者としても知られる松本清第9代市長が、「市役所は市民の役に立つ人がいるところ」の信念から1969年に発足させたものだ。人口急増とインフラ整備のアンバランスが表面化した時代。多様化・複雑化する住民の声に、組織の壁を超えて対応する取り組みは全国的に注目され、1975年には全国315の自治体に同名の課が生まれた。

 市庁舎2階の「すぐやる課」には、故松本市長が唱えた「すぐにやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」のモットーが掲げられている。メンバーは男性7人、女性2人。昨年度は2810件の要望に対応し、発足から現在までの総処理件数は約14万4000件。設立当初は道路や側溝の補修など土木関連が9割を占めたが、90年代以降スズメバチなどの巣の駆除が急増。昨年度は処理件数の半数近い1301件を数えた。生き物関係はニホンザル、ニシキヘビ、イノシシの捕獲、ハクビシンやカミツキガメなど珍獣に遭遇したことも*。ちなみに家や庭の掃除、近隣トラブルなど「個人的な問題」は不可。「何でもやる課ではありません」との旨は市のHPにも記されている。

 ミーティングとストレッチに始まる課の1日。作業服に身を包んだメンバーは脚立や路面を均(なら)す転圧機、ハチの巣駆除用の道具や薬剤、掃除機などもろもろの機材を2台の2tトラックに積んで各々の職務に向かう。移動中も道路脇のごみや破損・危険箇所に目を光らせる姿はまさにプロフェッショナル。といっても、配属当初はハチの巣の駆除もU字溝の補修もみな素人だった。「基本はOJT。現場で先輩に学び、知識も作業手順も実践を通じて身につけました」と語る安孫子裕樹さんと山野春香さんは、ともに行政職で入庁2年目。ハチの生態や工事機材についての的確な説明は、すでにプロの領域だ。

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最終更新:2016/2/10(水) 3:02
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