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<大学ラグビー>帝京に完敗した早大に異色ウイング!

2014/11/2(日) 18:47配信

THE PAGE

 このままでは終われない。試合終了直前、早大ラグビー部の4年生のウイング荻野岳志が中盤から果敢に仕掛けた。
「点差は開いていたけど、諦めず。開き直って、じゃないですけど」
 持ち場の右タッチライン際を離れ、中央や逆サイドでチャンスを伺う人だ。何より一歩の踏み込みで相手を振り切るフットワークの持ち主でもある。ただこの日は、そうした持ち味をさほど発揮できていなかった。
「あまりアタックができなかったので…アタックしたかったです。帝京大と試合をするとすぐ攻撃が断ち切られてしまう。ブレイクダウン(ボール争奪局面)で受けてしまっているのかな、と思います」

 2014年11月2日、東京は秩父宮ラグビー場。関東大学対抗戦Aの大一番で、早大は、大学選手権5連覇中の帝京大に11-55で大敗した。
――最後の最後、トライは取れませんでしたが、球を持てば前に進めることは証明しました。
 そう問いかけられた荻野は、涙をためたような目を空に向けて言った。
「それがもっとできるように。それをトライに繋げられるようにしていきたいです」
 夏には日本代表の育成選手となった実力者だが、トップレベルでのラグビーは今季限りと決めている。

 2008年、神奈川県有数の進学校、柏陽高でラグビーを始めた。桜の咲く頃の「仮入部期間」に、「熱烈に誘っていただき」楕円球と出会った。
 クラブは当時できて間もなく、経験者も少なかった。指導していたのは松山吾郎氏(現横須賀高監督)。現役時代は早大のスクラムハーフで、後の日本代表である辻高志(現NECコーチ)との定位置争いがファンの間で語り草となっている。荻野は自然と赤黒のジャージィに憧れ、あらゆる入試方法で早大を目指すこととなる。

「学部に関係なく、片っ端から」
 結局、本人にとって最も確実な手段だった理工学部の指定校推薦で進学する。松山のライバルだった辻が1年時の監督だったことは、何かの縁だろうか。
「ひとつミスをしたのは選んだのが理工学部だったということで…。でも、それ以外では入れなかったと思います」

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最終更新:2016/1/23(土) 4:10
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