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銀行振り込み24時間化の意義とは? ── 勃興するビットコイン対策との指摘も

2014/11/5(水) 12:26配信

THE PAGE

 銀行振り込みの24時間対応化に向けた議論が活発になっています。企業の資金繰りが容易になる、深夜の支払いに対応できるなどのメリットがあるとされていますが、いまひとつ効果がはっきりしないという声や、銀行のコスト増を懸念する意見もあります。24時間振り込みは、どれだけの意義があるのでしょうか。

 現在、銀行間の決済業務は、全国銀行協会(全銀協)が運営する全銀システムが担っていますが、このシステムの稼働時間は平日8時30分~15時30分となっており、15時までに振込手続きしないと当日扱いにはならない状況です。銀行が15時に閉まってしまうのはそのためです。ネットなどを使って深夜に振り込みの手続きをしても、実際に資金が決済されるのは、翌朝、システムが稼働してからになるわけです。

 これを24時間対応にしようというのが、今回の取り組みなのですが、こうした動きが出てきた背景には、海外の動向があります。英国はすでに2008年から全銀行が参加する(直接参加は11行)24時間決済システムを導入しており、金額に上限はあるものの、取引量が増加するなどの成果を上げています。シンガポールも今年の3月から同様のシステムを稼働させているほか、オーストラリアや米国などでも導入の検討が始まっています。

 ただ現実問題として、国内ですぐに振り込みを24時間対応にすることは難しそうです。それは全銀協のシステムを改修するのにかなりの金額がかかる可能性があり、採算が取れるのか微妙な状況となっているからです。

 全銀協では、振り込みの利用実態調査を行ったのですが、法人、個人ともに、平日夕方から夜にかけてや土日祝日にはニーズがあるものの、深夜のリアルタイムの振り込みにはあまり需要がないとの見解です。こうした全銀協の姿勢に対して、消極的との声も出ていますが、全銀協の主張もそれほど現実離れしたものではありません。日本では深夜に振り込みを行い、翌朝まで待たずに決済しなければならない決済当事者というのはそう多くない可能性が高いからです。そもそも、日本の場合、24時間振り込み以前に、平日でも3時以降は振り込みができない状況であり、24時間決済を議論するレベルに達していないわけです。

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最終更新:2016/1/30(土) 2:44
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