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週刊・新聞レビュー(11.10)「川内再稼働めぐり 二極化する新聞論調をみる」徳山喜雄(新聞記者)

2014/11/10(月) 22:39配信

THE PAGE

賛成と反対に分かれた各紙のスタンス

 九州電力川内(せんだい)原発1、2号機をめぐり、鹿児島県議会と伊藤祐一郎同県知事は11月7日、再稼働を受け入れた。立地する薩摩川内市も同意済みで、川内原発は年明けにも再稼働する見通しになった。

 福島第1原発事故後に定められた新規制基準にもとづいた原子力規制委員会の審査を経た再稼働は、川内原発が第1号となる。全国では12原発(18基)が規制委の審査を受けており、安倍晋三政権は地元同意を立地自治体に限定した川内方式を今後の「ひな型」とし、順次再稼働させていく方針だ。

 原発政策をめぐっての大きな節目となり、在京紙は11月8日朝刊で大きく報じ、社説(産経は「主張」欄)を掲載、それぞれの主張を展開した。社説の論調を比べてみよう。大別すると「読売、産経、日経新聞」が再稼働に賛成し、「朝日、毎日、東京新聞」が反対、意見が二分した。

 読売は「地元同意得るモデルにしたい」と題し、「年明けにも再稼働が実現する道筋がついた意義は大きい」と評価。産経は「川内再稼働は民意反映だ」とし、「原発再稼働の可否に多大な影響力を持つ地元同意が得られた意義は極めて大きい」と諸手をあげて賛成した。

 日経は「川内原発の万全の再稼働へ国は覚悟を示せ」と長いタイトルにし、「稼働ゼロが解消される意義は大きい」と賛同しつつも、「中長期的に原発にどの程度依存するのか、位置づけをもっと明確に示すときだ」と注文をつけた。

 一方、朝日は「『ひな型』にはなり得ない」と題する大型社説(1本社説ともいわれる)にし、「川内原発の再稼働を巡る手続きを振り返ると、とてもこのままでいいとは考えられない」と疑義をただした。毎日は「住民の安全守れるのか」とし、「〔福島第1原発事故の〕教訓を軽視したまま、再稼働に向けた手続きが着々と進められていることに大きな疑問を感じる」とした。

 東京も朝日と同様に大型社説を掲載。「3・11前に戻るのか」との見出しにし、「多くの疑問を残したままで、回帰を許すべきではない」と再稼働にきっぱりと反対した。

 以上のように社説を読み比べると、各紙の立ち位置が鮮明にみえてくる。

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最終更新:2015/8/14(金) 4:25
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